前屈のときは下を向くな!!

クラス授業のとき、足を伸ばして前屈を作るときも、胡坐前屈も合蹠前屈もいつも前を向いてと言うのですが、どうも日本語が通じないみたいです。どうしてほとんどの人が前屈のときに、下を向くのでしょうか。下を向くボディランゲージとは恭順、反省、内省とかいう心理状態ではないかと思います。すなわちおとなしくしている姿、内を見ている姿です。なぜでしょうか。たぶん痛いから下を向いて耐えているのかと思います。癖習慣ですから前屈のときに頭を上げるようにすると足回りは痛いかもしれませんが確実に背中は緩みます。
下を向いていると頭の重さで背中が緊張し、足回りも緊張状態で全屈しても痛くありません。しかし頭を上げると背中が緩み、足が緩み、伸びやすくなり、痛みも増してきます。この痛みがない限り、背中は硬くなり続けます。勇気を奮って背中を緩めると足回りは新しい世界が待ち構えています。ぜひ頭を起こして胸を出して、背中を緩め前屈系のポーズを作ってください。
Zenkutu3_3

心も静め自信も向上するヨガ

心も静め自信も向上するヨガのタイトルは朝日新聞に出ていた記事です。気に入った点は心について具体的に書いてあったこと、そして私の本が紹介してあったことです。
この記事を抜粋すると「」心理テストをした結果ヨガを実践した人のほうが平静さ、高揚感、自信などの指標があがった。その上ストレス状況にあっても、満足感や自己肯定感が高かったという。」の部分は非常に大切です。確かにそれが目的ではないけれど、肩こり腰痛、疲労回復が目的でヨガをしているのだけれど、本来とてもコントロールできない心の状況が変わっていくことはすばらしいことです。
きついポーズを作らなくても時間をかけて筋肉を緩めると脳の興奮神経が収まって上記の結果が得られると思います。
記事の中に「15秒以上続ける」というのは少しいただけない表現だと思います。15秒間歯を食いしばってもいいのかというのとそうではなく、何もしない時間が15秒だということです。何もしていなく筋肉が緩んだ実感があれば5秒でも10秒でもいいわけです。この緩むということは体が自然な状態になることで、自然になると、心も体も自然になり、落ち着き、自信、満足など生きる上で当たり前のことが現れるだけです。
話は似たようなことですが、よく対症療法といって意味のない手当てや姑息的手法ととられがちですが、病になったときの治療法はほとんどこれでこの方法こそが最高の治療法だと思っています。というのは痛みを消す、苦しみを消す、かゆみを消すなどの苦痛を消すことでその人の自然治癒力が最高に発揮されるのです。風邪薬でも症状を取ることで自然治癒力が生まれて快方に向かうのです。入院して安静にするのもそうだと思います。
力を入れて痛みを体に与えていくことで体は緩みませんし、心に対する働きも大きくはないと思います。しかし、前向きにあえて喜んで痛いことをするときはまったく違う働きをします。これが適応力というのでしょうか。いやいや苦しいことをしているのと、喜んで苦しいことをしているのとリラックス度も違えば心の強さも異なってきます。そのように考えるとヨガには両者に活かす力があることを教えてくれると思います。初級者には無理なことをしなくてもいいし、上級者には積極的に喜んで無理なことをする修業的要素があるのです。
Syokubayoga_s
大きく拡大

雪祭り

教室を抜け出して雪祭り会場に行きました。きゅうに寒くなってきたみたい。今日は初日なのでたくさんの人が来ています。でも寒いです。遠くからこの雪祭りを見に来ている人、ご苦労様です。少しは感動しないといけないみたいです。きれいに写っているのは新聞をコピーしました。色が変なのはわたしが撮りました。
寒いと体がぎゅっと締まります。特に屈筋側が硬くなります。胸もひじ裏も妙に硬いのです。口も開きづらくなります。お菓子やラーメンそのほかたくさんの売店が出ていました。湯気が出ていて食欲をそそります。しかし寒いところでどんぶりを持つ手は冷たいだろうと思いとどまりました。
たくさんの滑り止めの砂をまいているのですが、あちこちで滑って転んでいます。この転び方も上手に転ばないと病院行きです。転ぶときは一人で転んでほしいと思います。まったく知らない近くにいる人の肩をとっさにもって一緒に連鎖的に数人転ぶときもあります。
毎年ヨガの生徒さんも転んで手首を折ったり、頭をぶつけたり、中には尾骨を折る人もいるのです。転び方の練習をヨガの時間にすることもあります。それは柔道などの受身です。
毎年、大きな雪像を作ってくれるのは自衛隊隊員です。寒い中を感謝です。このお祭りで寒い札幌が少しは暖かくなります。でもやっぱり寒いです。
2丁ほど回って、何食わぬ顔でレッスン中の教室に戻ってきました。暖かい部屋は極楽です。
Yumimaturi23

研究会のテーマ

今月の当学院のスタッフによる研究会は「イメージを使う」をテーマに行いました。IさんとSさんがコメンテーターです。今年から使用テキストは「体が硬い人の・・」を使います。私が強制したわけでありませんが、じっくり勉強したいとのことです。サブテキストとして今回は「原初生命体としての人間」(野口三千三)を使いました。「原初・・」の中のイメージによるからだの秩序変革を実際に行うと朗読とともに立つ姿勢の体がどんどん床に沈みこみ、それに反して肛門や背骨が上のほうへ伸びて行きます。「丹田子宮から新しい腕が生まれる」や「丹田子宮から新しい尻が生まれる」などは本当に今まで知らない腕や尻がそこにあるのです。体のおもさや足のおもさが地球に引き込まれる実感をたっぷり味わった時間でした。
そういえば、前の日にTVで面白い実験をやっていました。紙コップをひっくり返してその上にテニスボール、同じようにスーパーボール、野球のボール、砲丸の鉄球をおいてそれぞれ木槌で上から叩くと、どのコップが潰れないでしょうかという内容です。答えは砲丸の鉄球です。作用反作用の考え方だそうです。重いボールをスピードのついた軽い木槌であっても叩くと木槌は跳ね返されると言う説明でした。運動量の問題でもあるなぁと思いました。mv=MVなのだから鉄球はほとんど動かない。
私たちの体も姿勢をよくして反作用として自分の体の重さを感じてみるとその重さを実感できるものなのです。そして腕や尻が垂れたり挙がったりした存在として気がつくのです。
私たちの動きはすべて地球からの反作用で存在しています。この重さをうまく利用できることが疲れない動き方といえましょう。ちなみに北海道は雪がよく降ります。除雪などは冬の日常の風景ですが、これとて足ごしらえをしないとスコップを扱えません。あるとき、無精者のわたしは家履きのスリッパで玄関先の雪を軽いスコップで雪をどけようとするのですが足が滑ってまったく不可能でした。
イメージは単に思い浮かべるだけではありません。思いはエネルギーですから体を動かしたり、自分の将来さえ作り出します。普段はほとんどが意識の中で生活をしていますが、その意識を作っているのは無意識です。習慣癖の内容などが無意識となり、意識をコントロールしています。よって今回はイメージを使ってさまざまな動きを試してみました。ハヌマーンのポーズ、スキのポーズ、らくだのポーズをうまくいくこともあれば相変わらず出来ないものもあります。できないのは意識が圧倒的に表面出てくるのです。痛い、出来ない苦しいなどです。
この説明を聞いてガルウェの「インナーゲーム」を思い出しました。無意識のセルフ2を信じなさい、セルフ2こそが本当のあなたです、と説明しています。イメージを上手に使うためにはイメージと体の関係が連動するように練習しなければなりません。
両手を合わして「短い方の指が長くなれー」という説明は単なる実験でなく、繰り返し行って練習するものだと思います。
また、イメージは言葉です。おいしかった、気持ちよかったは誰でも共通の感想です。しかしそれを第三者に正確に伝えるためには言葉足らずです。自分が体験した感覚のイメージを膨らませ他人にわかるように説明しなければなりません。TVのレポーターがおいしかっただけでは即不的確になるでしょう。料理まんがの「おいしんぼ」のように言葉をひねり出す能力がますます料理の技やヨガでは動きの「妙」を磨いていくと思います。
Images

體の動かし方

「体が硬い人のヨガ本」は順調に版を重ね、5版を出すことが決まったと連絡を受けました。札幌駅の複合商業施設ステラプレイスに入っている大手書店では平積み扱いになって、手に取りやすくなっています。
Hiratumi
ここでの話しは体が硬い人にも通じる楽に体を動かす方法です。体の旧漢字は「體」と書きました。若い人は知らないとのお返事ですから、話が進みません。旧漢字を使っている資料はなかなか見当たらなく、江戸時代末期の「解体新書」杉田玄白がオランダの解剖学図を訳した本ですが、これに「解體新書」とありました。(私の本ではありません。某大学所蔵とありました。)
昔は体を體とあらわしたのです。実にうまく言い当てています。すなわち骨がたくさんあると言う意味です。体は動くためにあるのですから、骨がたくさん必要なのです。動くことは骨が動くことです。ですから体は體とあらわすのです。
体を楽に動かす方法は骨が楽に動くことが大切です。骨が楽に動けば筋肉は緩むのですが、硬い筋肉であったり、力づくで骨を動かすと筋肉は緊張して骨は動いてくれません。筋肉をいためることになります。
楽に楽に骨を動かすことが楽に気持ちよくポーズを作る極意です。さあ、どのくらい楽に動かすことが出来るでしょうか。これは精神領域かもしれません。心が緊張したり暴力的発想が出てきたりすると筋肉は緊張するので楽に動かすことは出来ませんよ。だからヨガは体を使った、心の訓練だと言うのです。心静かに、やさしく落ち着いて丁寧に自分の体を扱ってください。骨はたくさんの情報を持っています。筋肉を怒らせないことで心が安定してくるのです。
Karada