薄荷工場見学

北見へ連休中に行きました。時間があったのであちこちと見学をしましたが、圧巻はここで紹介する薄荷工場とピアソン記念館です。どちらもヨガの「生命即神」でいう昔の人の生きるエネルギーが込められています。そして日本の大きな歴史から忘れられた存在でもたくましく生きてきたあかしがここにありました。
まず、薄荷工場についてですが今の読み名はハッカ工場でしょう。工場記念館の係の人は丁寧にたくさん教えてくれました。そして又この小さな記念館に見学者が多かったことも驚きました。
昭和15年頃から今も北海道の大企業のホクレンが北見にはっか工場を作り、戦後間もなくはっかは世界需要の70%を作付けしていたと言います。そして戦後間もなく天皇、しばらくして皇太子(現天皇)が見学に訪れているほど盛況だったのでしょう。ところが貿易自由化や合成品のメントルがあらわれると急速に衰え昭和末期には工場は閉鎖されました。
係の人は外国産のハッカは結晶ができないが日本産は水晶のようなハッカ脳と言われる針状の結晶ができるのが特色だとのことです。この針を食べてみなさいといわれ口に含むと胃腸薬を飲んだみたいにお腹がすうすうします。ハッカの使い道は薬品食品だけでなく、防虫や化粧品タバコやお菓子などたくさんの用途があります。今は当然、原料はメントールです。
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以前にアロマを勉強していたときに植物から抽出される芳香成分は合成品では作れない素晴らしい成分があると教わりましたが、製造単価だけを考えると企業製品は合成物にいくのでしょう。
このハッカを作る農家の数も莫大な土地でこの地方を潤わしたと言います。
写真で見ると農家毎が中間の生成物を作る化学工場のようなものでありました。昔の人はこのように手間ひまをかけて物を作っていたのです。
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北見の土産物店にあるハッカのお土産はほとんど北見では作っていないしまた合成品であると言います。私は工場で北見産のシソから作った本物のハッカを購入しました。そして針状のハッカ脳は車にティッシュに包んで芳香剤にしています。
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未来を生きる子供たち

沖導師の著作に「生きている教育 沖ヨガ式子供教育」というのがあります。未来の子供たちへの期待とそれを取り巻く大人たちの啓蒙書です。教育というテーマは社会システムの中で文科省などで厳格に規制されていますが、個々の子供は育てられるのでなく、DNAのプログラムの中で、時間というプログラムと時間の環境と内容で心身が成長していきます。次世代の日本国民をつくる重要な役割があるだけでなく、沖導師は世界を見据える子供教育であるべきだと説いていました。
私はちょうど良いときに「天才と、キンピラゴボウの作り方」という本を読む機会があり、著者である母親の自然食と自然の中での教育の結果を驚嘆な育てかたで、命の可能性を知りました。しかし誰もがこの著者のように育てられるわけでなく、日本国民や制度がこの著者の活動に対して寛容になれたときには大きくクローズアップされると思いました。簡単にあらましを説明しますと、玄米菜食をすることから著者の大病が治り、現代医療を否定した、また一般の教育方針からかけ離れた子供教育を母親、著者の孤軍奮闘で天才を育て上げた内容です。著者の哲学は早いうちから成長を促すような立ち歩きではなく、いつまでもはいはいであり、歩けるようになれば勉強をさせずに、戸外で育て遊ばせること、テレビなどで脳に早くから不要な情報を入れさせないことを基本としていました。成績は中学校まで3人ともほとんどオール1であり、15歳で大検入試合格させ、それぞれがイタリアで音楽関係や日本で医学関係他でそれこそ天才を作ったという内容です。
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さて、今日、受講生の前からの勧めで「未来を生きる君たちへ」というデンマーク映画を見ました。普段はエキナカの大きなスクリーンでメジャな内容の映画を見ることが多いのですがマイナーで、客席は30席くらいの小さな映画館です。パンフレットをもらったのである程度ストーリは読めると思います。要するに可能性のある子供だが大人と同じように仕返しという犯罪を犯して友人を傷つけてしまうが謙虚にあやまり、反省をしました。大人同士は勝ち負け、仕返し、闘争、戦争の中で生きているが、子供の屈託のない明るい表情こそが大人たちにも未来に明るさを感じさせる希望なのだと言うストーリです。
沖導師も子供から心の狭い大人がもっと学ぶべきであり、可能性を奪っては行けない、もっとたくさんの体験をさせること、自分で考える力や生きる力をつけられるようにすべきだと説いていました。
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「木のポーズ」はおもしろい

 バランスポーズである「木のポーズ」は片足立ちのポーズとも言いますが、「体力チェック」の中に「閉眼片足だち」と似ています。目を閉じて足を床から上げたまま何秒間保つことができるか、のテストです。このテストは20代から50代までで評価を年代別に5段階あり、3秒~170秒までを計りますが60代以上は無いということです。教室に作業療法士の方がおられて高齢者(60歳も)はふらついて転んで骨折することもあるから行わないと説明がありました。なるほどです。テストのデータを見るとこの平衡性は年齢に確実に比例して悪くなってきます。またテストはどちらの足でも良いということで左右の足に関係なく平衡力は決定するのでした。
 ヨガで行う「木のポーズ」は目を開けますし、何かにつかまってもいいのでテストではありません。繰り返して練習すると確実に平衡力、バランス力は身について行くのはおもしろいことです。しかし身体的に問題があるとやはり不安定です。たとえば耳が悪い、自律神経のアンバランス、加齢は影響します。
 今回も案の定、一部のバランス力の悪い、老若男女が「木のポーズ」をしましたが、ふらふらしたり、足をちょん、ちょんとつけて落ち着きません。それで少しはましになるアドバイスをします。目を一点に集中してください、ふらついている人を見ないでください、足を互いに押しつけてください(足を腿へ、腿を足へ)、足で床をつかんでください、肛門を締めてください、首を伸ばしてください、などが効果的です。
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 今回はタオルを使って二人でひっぱりあって、足指に力を入れる練習をしてから行いますと抜群の成績がいいことがわかりました。またこのポーズの効果だけでなく、立つ姿も、歩く姿勢も脚力も変わってきました。それではどのような足指強化をするかというと、タオルを足指(普通は親指人差し指間)にタオルを挟んで二人、または三人でひっぱりあいをするのです。綱引きのような力比べでなく、どのくらい長く指に力を入れていられるかの強化法です。指が痛い、足指が痙攣するくらいやった方がいいようです。そして「木のポーズ」をすると感動の言葉でてきます。「楽~、すごい~、いつまでもできる」などの声が出てきます。
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 ここで筋肉の勉強をしましょう。
「木のポーズ」を行うに当たって一番使うのは足の筋肉ですが、「木のポーズ」の潜在的な効能について調べていくとこのポーズのすごいところがわかってきます。
すなわち足を使う基本的能力は生きる能力を高める働きがあることがわかりました。
 動物は歩くことは本能ですが、その目的は食物を獲得するためです。そして外敵から逃げたり倒したりするためのものです。生きものは本能と結びついた動きほど反射的にコントロールされています。呼吸や心臓の動きと同じように、足もそういう意味で反射的にコントロールされているのです。
 その反射の影響が強いのは筋肉に緊張筋と相性筋の2種がある内の緊張筋の方です。
 緊張筋の性質を列記します。
   静的な状況での安定を保つ。正確性と緻密性の運動が主体。姿勢を保つ役目の筋。
   随意筋だが脊髄反射により自動的にコントロールされている。
   脳細胞の老化を防ぐための情報を送るとされている。
   収縮速度が小さく持続性が高い筋。 赤筋繊維が多い。
   寝込んだりして使わなくなると急速に退化してしまう。
 相性筋の性質
   動的運動が主体。 早い運動、すばやい運動が主体。
   随意筋で大脳によりコントロールされ機能が発揮される。
   収縮速度が大きく持続性が低い筋。 白筋繊維が多い。
   筋を鍛えることで肥大化する。
 実際の筋肉は両方の筋肉をバランスよく併せ持って活動できるのですが、アンバランスになると疲れやすい歩き方やまた筋肉の付き方に特徴が出るといわれています。たとえばふくらはぎの太い方は無駄な足の使い方をしている場合が多く、相性筋を多用して腓腹筋が肥大している場合があります。それを直すにはやさしく、丁寧に足を運ぶ必要がありますし体全体の脊柱起立筋を強化しなければなりません。体の中で一番重くて高い位置にある頭をまっすぐ上にあげておく姿勢が必要なのです。
 この緊張筋と相性筋のバランスは関節の保持にも関係して、痛みの原因にもなっているようです。要するに姿勢が悪いとこんなところにも悪化の原因があるということです。
「木のポーズ」についてですが、支えるための緊張筋、そしてタオルをひっぱる動きをして相性筋を強化することで、両者のバランスがとれてポーズを作りやすくするのでしょう。私たちは草鞋わらじの生活であればこのようなことをしなくてもバランスがとれていたのですが、現代の文化的な社会では靴を履いています。その分機能が悪くなってきたと思います。タオルをひっぱらなくても足指を開いたり閉じたりをきちんとすることでバランスのいい体、姿勢を作れることだと知りました。
 本当に私たちの体はうまく作られているのです。