筋トレのすすめ

 今まで長い間、ヨガというストレッチ系に関わってきましたが、最近になって筋トレを始めて5ヶ月になります。初めはスクワットを10回程度の幼稚なスタートでしたが、徐々に興味とマスコミの話題によって、自宅で定期的にするようになりました。現在75歳。団塊の世代です。
 目的はフレイル予防、サルコペニア予防に尽きますが、免疫強化にも役立つそうです。それに筋肉による体重増加に興味を覚えています。筋トレを始めるまでは65kg (身長175cm)でしたが、現在は70kg。内臓脂肪(普通の体重組成計にて)はやや多いであまり変化ないです。そうです。筋肉が増えたのです。体は若干ですがサイズアップしています。
 昔を思えば、ヨガに関わるとは考えられないくらい体が硬く、当時の沖ヨガの創始者沖正弘先生は「人生強化法」という心身強化の教えにハマり、体の強化ならまかしときといった風潮でこの世界に飛び込みました。ところがだんだんヨガブームになってくると、柔らかさ、ストレッチ系が中心となり、かなり焦りましたが、当時のヨガ指導はかなりの配分で強化法、腹筋背筋ジャンプなど取り入れていました。
 実は今現在のヨガ指導が筋トレのメニューを入れると、なんやら昔に戻ったような気がしています。そして腹筋や背筋など筋肉強化をした方が、柔らかくなるし、ポーズもキレイになってくるのです。そんなこと、今になって気づくとはなんやら情けない気持ちです。
 ということで「今からここから」の気持ちで今「筋トレのすすめ」を書いています。たくさんのネット資料や本も出ています。それに同年齢の人も結構、筋トレをしている人が多いということに気がつきました。調べればメリットがたくさんあって、やらないわけにはいきません。当然ヨガも並行しています。
 まだ途中ですが、下記の資料にまとめました。そして周りの同年輩に「筋トレのすすめ」を勧めています。やり方はたくさんありますが、私の方法を書いておきます。
 まず負荷ですが、鍛える部位を回数と負荷で限界まで追い込みます。ほとんど自分の体重を使った動き(自重トレーニングといいます)ですが、小道具は2kg,1kg,500gのペットボトルとそれらが入るトートバッグ、時計くらいでしょうか。それらを使うこともあれば使わない種目もあります。そして種目は脚周り、腹背中周り、腕周りを日を変えて、6日間、それぞれ週2回、日曜日は休みというふうにやっています。
 そしてタンパク質を意識して取ることですが、プロテインまでは不要で、また高齢者にとって腎臓疾患などにはプロテインは問題があるとのことです。また筋肉に休養させることも大事とありました。48時間から72時間休むことで、壊れた筋肉が再生していくときに太くなるということです。それで3日に一度、目的部位に負荷をかけています。負荷が楽になれば回数を増やすか、重り(ペットボトル)を持つか、時間をゆっくりやるかなどの選択をします。負荷は徐々に増やしていかなければならないとありますが、高齢者にとってはこれらの選択で十分です。もっと上を望んで筋肉モリモリを期待しているのであればジム通いが必要でしょうが、これで怪我をする人も出ているということです。
 そして何よりも大事なのはトレーニング時間は30分で済ますことです。あまり長い間やると、高齢者にとって心臓に負荷もかかるのでこのくらいの時間でいいとの資料もありました。30分ならとても手軽です。まあ、時には10分で止める時もあります。気分も大事です。あまり追い込まないことにしています。筋肉の成長にはお酒はダメらしいですが、調べてみると2-3時間くらい経ると大丈夫だそうで、それも程々にしておいた方がいいようです。また睡眠不足、ストレス、当然タバコもダメです。
 他にもメリットがありますので是非、読んでチャレンジしてみてください。そして記録もつけておいた方がいいでしょう。

筋トレのメリット
参考https://www.nas-club.co.jp/magazine/muscle_training_merit/
○タイトル:筋トレはメリットだらけ! 
筋トレの効果と知っておくべき原理 
1.筋トレを行うことによって、がんなどの疾患による死亡リスクを軽減する効果が期待できます。
2.「ワークアウトをしている人は、そうでない人に比べて全死因における死亡リスクが23%低く、がんによる死亡リスクは31%低かった」という研究結果を発表しました。
3.筋力が低下し立ったり歩いたりするのにも不自由となる「サルコペニア」と呼ばれる加齢に伴って生じる筋萎縮を防げます。
4.筋トレによって白血球やリンパ球などの免疫細胞が増加することによる免疫力向上や、筋肉量が増えることで熱を生み出しやすくなり基礎代謝アップなど、さまざまな効果が見込めます。
5.加齢に伴い身体機能や筋力は低下します。しかし筋トレを行うと、高齢者であっても筋肉細胞の増長や成長は可能です。
6.成長ホルモンは、筋肉細胞を肥大化させる「インスリン様成長因子(IGF-1)」の分泌を促す効果があリます。
7.筋トレを行うことで、高齢者であっても成長ホルモンを増やせます。糖が分解されてできる乳酸が発生し、乳酸が脳を刺激することで、成長ホルモンの分泌を促進しているのです。
8.成長ホルモンは、各器官へ作用し認知機能や免疫機能を促進させます。

○筋トレによって分泌される物質
1.テストステロンは男性ホルモンを代表する物質ですが、前向きなマインドを保つには男女関わらず必要なホルモンです。
2.大脳に作用しポジティブな思考や決断力を高める作用を持つテストステロンは、生きる活力や生気を向上させ、バイタリティを高めてくれます。また集中力を高めたり、モチベーションが向上したりする効果もあります。
3.セロトニンは神経伝達物質のひとつで、「幸せホルモン」とも呼ばれているものです。日光を浴びると分泌されることで知られていますが、筋トレによっても分泌されます。セロトニンが分泌されることで、安心感を得られ精神が安定し平常心がします。脳の動きを活発にするために必要な脳内物質であるため、直観力を上げる効果もあります。
4.ドーパミンもセロトニン同様に幸せホルモンの一つです。生存に必要なものを得るために身体を動かす機能がある脳内報酬系 の神経伝達物質で、活力を与え、やる気を感じさせる効果があります。ドーパミンは嬉しい出来事を期待しているときや、思いがけず嬉しいアクシデントが発生したとき、また何かを達成したときに分泌され快楽を感じさせます。

「トレーニングの原理」
1.「過負荷の原理」はオーバーロードの原理とも呼ばれ、「トレーニングによって身体能力や機能を強化させるには、一定以上の負荷をかける必要がある」ということ。どんなに筋トレを行っても、負荷をかけなければ筋肉は成長しないのです。
資料:筋酸素化レベルが低下すると、筋肉中に酸素不足の領域ができ、乳酸が蓄積して、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには筋肉を大きくする作用があります。 
2.負荷のかけ方にはさまざまな方法があり、筋トレで用いるダンベルなどの重量を増やす、1セットあたりの時間を長くする、反復回数を増やすといった方法が有効です。
3.「特異性の原理」とは、トレーニングは行った内容によって適応されるということです。例えば腹筋運動を行えば腹筋が鍛えられたり、ストレッチなどをすれば柔軟性が得られたりします。もし筋力を向上させたいなら、軽い負荷で何度も行う低重量トレーニングよりも、少ない回数で高い負荷をかける高重量トレーニングのほうが早く効果が得られるでしょう。このようにトレーニングによって特定の効果を得るためには、それに適した運動をする必要があるのです。ちなみに高重量トレーニングは筋肉の肥大効果だけでなく、筋肉と脳の連携を向上させ活性化させる神経系トレーニングの効果が見込めます。
6.「可逆性の原理」とは、トレーニングをやめてしまうと身体が元の状態に戻ってしまうということ。筋トレを中断して筋肉が落ちたとしても、筋トレを再開すれば「マッスルメモリー」という働きにより、比較的短期間で筋トレを行っていたころの身体に戻れることがわかっています。

筋肉を肥大させるには変化を促す3つの要素
運動
筋肉は多くの筋線維と呼ばれる細長い細胞によって構成されており、筋肉を肥大させる「筋肥大」には、一本一本の繊維を太くし体積を増やさなければなりません。筋繊維は非常に繊細で、運動などによって身体を動かすと傷ついたり、切れたりしてしまいます。しかしすぐに補修され、損傷する前よりも太くなります。これを「超回復」といい、繰り返すことによって筋肉が大きくなるというメカニズムです。
栄養
1.筋肥大には栄養の摂取も重要です。例えば運動によって損傷した筋細胞を回復させ、太い筋細胞をつくるにはタンパク質が必要です。運動をしても超回復が発生しなければ筋肥大は起こりません。
2.断続的に高い強度のトレーニングをしている人なら、体重1kgあたり1.4~1.8gですので、体重が60kgの場合は1日84~108gのたんぱく質が摂取量の目安です。
休養
3.筋肥大をねらうなら筋トレ後は48~72時間の休息をとることが効果的です。
睡眠が不足すると筋肥大に必要な成長ホルモンやテストステロンの分泌が低下してしまうためです。人によって適切な睡眠時間は異なりますが、筋肉を大きく育てるためには1日6時間以上の睡眠をと ると良いといわれています。
多くのアスリートは1日の睡眠時間が8時間以上といわれています。
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運動プログラム作成のための原理原則-安全で効果的な運動を行うために|e-ヘルスネット (厚生労働省).pdf
3つのトレーニングの原理
1. 「過負荷の原理」ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。
2. 「特異性の原理」運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。
3. 「可逆性の原理」せっかく獲得した効果もトレーニングを中止すると失われてしまうことです。
6つのトレーニングの原則
1. 「意識性の原則」トレーニングの内容・目的・意義をよく理解し、積極的に取り組 むことです。
2. 「全面性の原則」有酸素能力・筋力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。
3. 「専門性の原則」競技や健康づくりなど目的にあった機能(筋力・筋パワー・筋持久力・有酸素能力・柔軟性など)を優先的に高めていくことです。
4. 「個別性の原則」トレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにします。
5. 「漸進性の原則」体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ・量・技術課題を次第に高めていくことです。
6. 「反復性・周期性の原則」運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。

痛みに強い脳を作る_指ヨガ

webニュースに「痛みに強い脳」というタイトルで指ヨガが掲載されていました。指ヨガ以外にも面白くて参考になりますので、ここに掲載させていただきます。

指ヨガは沖ヨガ協会理事長の龍村修先生が応用開発された手軽にできる日々のケア方法です。私は14,5年前から指ヨガの普及活動をしてきましたが、今回某団体から資料作成を依頼され、動画を入れてかなり詳しく制作したところです。その作品は某団体に渡しましたが、迷惑のかからない範囲で新たに資料を作りました。ぜひ勉強していただきたいと思います。下記にURLを貼り付けました。

指ヨガとは 独自制作

https://mizunoyoga.com/yubiyoga_kenkou.html

また「痛みに強い脳を作る」の記事は下記のとおりです。

逆立ちのポーズと肩立ちのポーズ

BKSアイアンガー「ハタヨガの真髄」から逆立ちのポーズと肩立ちのポーズを抜粋しました。

この本は一つのポーズを多くの紙面を割いています。是非、日々の取り組みに生かしてほしいと思います。逆立ちのポーズができない人が多いですが、壁を利用しても良いでしょう。繰り返しすることで、何か必ず進歩します。肩立ちのポーズも同様です。きれいな美しいポーズでなくてもとにかく、やってみることが大切です。そして紙面にもあるようにまず1分、それができれば2分、と時間を延長していきましょう。

この二つのポーズはポーズの王様、母なるポーズと言われるくらい大切で効果が大きなポーズです。ヨガのポーズはそれぞれ筋肉や神経、内臓に刺激を加えることを目的にして、その刺激が普段の偏った体癖からくる不調を自ら修正するという考えです。

逆立ちのことをヘッドスタンドポーズといいます。一部腕も使いますが、頭で体を支えるポーズです。脳の機能を活性化する可能性があるのなら是非やってみたいポーズです。内臓の逆転も内臓強化になります。詳しくは抜粋を読んでやってみてください。

TNCアドバンスコースレポート

TNCートータルニューロコンディショニングーを学んで3年目になります。その間ベーシックの復習期間もあり、今年はアドバンスコースにチャレンジしました。
脳・神経の発達そして強化、そして衰退にどのように対処するかを学びました。強化にいたっては筋力不足もあり、ついていけないところもあります。そしてあらゆる生物と同じく衰退期のプロセスも面白く講義を受けました。なにせ自分のことですから実感することばかりです。
それぞれの講習でレポート提出を課せられましたのでここに記録として載せていきます。誤字脱字があることに気がつきましたがそのまま載せることにしました。
TNC_水野レポート1
TNC_水野レポート2
TNC_水野レポート3
TNC_水野レポート4

バランスをよくする方法

病的ではないけれど、立って靴下やズボンが脱げない・はけないでふらつく、ヨガの「木のポーズ」(片足で立って手を上にあげる)がうまくできないなど、何かバランスが悪いとき、加齢だけのせいにしないでそれを克服する方法をいかに述べます。このバランスの悪さはくらやみになると一層、悪くなります。なんでもないと思っていても転んだりぶつけたりで、大変危険でもあります。家庭の中で転んで入院、そのまま寝たきりになるケースも多々あります。(私の父がそうでした。)
ここでは前にTNCプログラムの紹介をいくつかしています。その流れでもあります。
参考資料として以下のブログに記事としてありますので是非ご参照ください。
※1強化法・修正法を脳神経学的に説明※2TNCプログラム_ベーシックコース修了※3TNC_発達ステップ




同じものをPDFで掲載します。
TNC_7モーションを学ぶ

各種呼吸法

呼吸法は古来から心身一如を得るための方法として、伝えられてきました。十分な医療が発達していない明治期後半には民間療法として普及した時代もありました。インドヨガのプラーナーヤーマは修行法として数々の呼吸を紹介しています。
現在はビジネスパーソンを中心としたマインドフルネス(瞑想)の一環として、又ヨガのプラーナーヤーマとして呼吸法が見直されてきました。そしてその呼吸法は一般の方にも不眠解消や心身を向上させるために紹介されています。
ここでは、呼吸法をいくつか挙げて日々の練習の一つにしてもらえばと思います。

呼吸法の注意点
・空腹時に行う:横隔膜を強く使うので、できるだけ空腹、または食後3時間くらいが良いでしょう。
・背筋(せすじ)を伸ばす:呼吸筋を十分に使うために、背中や腰の筋肉をリラックスしておくためです。
・鼻から吐いて鼻から吸う:基本的に鼻を使います。説によっては口から吐くとありますが初学者の時だけにしましょう。
・息は吐き切ってから吸う:「吐き切らないで吸う」ことを続けると過換気(過呼吸)の状況になります。気分が悪くなり目まいさえ出てきます。
・舌は上アゴに軽くつける:口呼吸を防ぐ方法です。座禅ではこの方法で行います。
・秒針付きの時計を用意する:呼吸の時間や割合を知るために目の前にあるといいでしょう。ただし、本来呼吸法は目を閉じて行うとあります。
・息を止める時の注意:息を吸って息を止める時(クムバクと言います)、首や顔に力が入らないようにあごを鎖骨の間に当てます。
・無理しないこと:個々人の体調や体力は様々です。時間や割合は各人に合うように適切に行ってください。病気による禁忌の呼吸法もあります。心配の方は専門の方に相談してください。
・一般用語として呼息は吐く息であり、吸息は吸う息です。普段安静の呼吸数は12〜18回と言われ、静かで呼吸をしている意識がないのが普通です。しかし慢性疾患のある人は呼吸が速くて強い傾向があるそうです。

1丹田呼吸法
丹田とは身体の動きの中心と言われ、丹田を鍛える、または丹田を練ることで心身の状態が統一されるという武道から来ている言葉で、すなわち心身の健康であったり、動きが良くなったりする中心点を表しています。又これに対応する仏性は心が開発される、心がとらわれをなくして、純粋なあるべき姿になる脳の状態を言います。丹田というのは本来、中国語あり、インド古来の言葉サンスクリット語ではウディアナ、これが中国に伝わり、日本語では肚という文字になって日本に伝わったと言います。肚はそういうことで心を表す意味でもありました。
<丹田呼吸法のやり方>
背筋を伸ばして座ります。そして丹田の位置を確認します。丹田はヘソ下の架空の位置とします。ここに軽く意識と力を入れる練習を行います。両手を押し合って丹田を確認するなどして確認します。そして鼻から10秒吐きます。吐いている間も丹田に軽く力を入れ続けます。そして次に鼻から5秒で息を吸います。この吸っている間、腹も腰も胸も膨らんでいる状態を意識します。これを10回行います。これを1サイクルとします。1サイクル毎に終わってから丹田、肛門を強く力を入れる動作を3回行います。3サイクル行います。10分間くらいかかるでしょう。この丹田呼吸法を基本エクササイズとします。
別法として丹田に力を入れるところは同じですが、吐く息を3つに分けて、吐き切ります。そして息を吸ってまた吐いていきます。途中で丹田に力を入れるのは上述と同じです。5分くらいかかるでしょう。

2.完全呼吸法
欧米でもパーフェクトブリージングと呼ばれて、吸う・止める・吐くと呼吸の機能をすべて使う呼吸法といわれています。しっかりと内臓を動かすので内臓強化になります。又息を止めるので炭酸ガスに対する耐性強化になり、疲れをなくし、持久力が高まります。
背筋を伸ばして座ります。そして鼻から吐き切り、鼻から吸います。吸う時は下肺(解剖名では下葉)中肺、上肺、鎖骨肺(肺尖と言う)と空気を入れていきます。そして次に鎖骨肺から空気を抜くつもりで、肩を落とし息を止めます。このクムバクをしている間、喉を締めて、肛門を締め、丹田を締めます。そして上肺から静かに息を鼻から吐いていきます。その割合は以下の通りです。
<完全呼吸のやり方>
鼻から息を吐きます。そして5秒で息を吸います。その時の意識は上記の説明通りです。次に10秒間息を止めます。クムバクと言います。そして10秒で息を吐き切ります。そして又吸います。5分から10分間行います。このクムバクは練習に応じて増やして20秒でも可能です。長くするときはその長いクムバクを使った完全呼吸法を5分間持続できるようになることが大切です。無理をしないことが大切です。

3.片鼻呼吸法(ナディショダナー)
ナディショダナはサンスクリット語でナディは血管、リンパ、消化管・・などの管を意味し、ショダナーは浄化を意味します。よってこの呼吸を行うと体中の管をきれいにすることになります。最近の研究ではこの呼吸法で鼻腔の血管を刺激することから、血管拡張作用があると言われています。これは一酸化窒素が心血管系システムの研究からノーベル賞を得ました。これでこの呼吸ことをノーベル呼吸という人もいます。一酸化窒素NOは高血圧、脳卒中、心臓発作、動脈瘤、動脈硬化などの予防効果、免疫力を高める効果があるとされています。又右左の鼻腔を交互に空気を通すため、右側が交感神経、左側が副交感神経で、自律神経のバランスも整うと言われています。
<片鼻呼吸法のやり方>
背筋を伸ばして座ります。右手の親指と薬指を使い、小鼻の少し上をおさえます。そして左から10秒で吐いて、同じ左鼻から5秒で吸います。次に左鼻はおさえて右鼻から10秒で吐きます。そして右から5秒で吸う、繰り返します。胸腹式呼吸で行います。胸腹式呼吸は腹と腹を同時に膨らます方法です。5分から10分間行います。息を吸った時に横隔膜が下がり(筋の緊張)、胸郭が広がります。膨らむ箇所は腹だけでなく腰や胸や背中が膨らむ感覚を身につけましょう。吐くときは腹圧をかけて横隔膜をあげて(筋の弛緩)いきます。

4.鼻すぼめ呼吸法(アヌローマ)
 この呼吸法は鼻腔を狭めて吐く息に抵抗を加えます。これはストローを使う方法や口を狭めてする方法と同じです。吐く息に抵抗があれば呼吸筋に圧力がかかり、気管などが拡張され、楽に吸うことができます。又練習の時は決まった時間で吐く吸うを行うためかなり腹や胸に圧がかかり強化されます。そのため、この呼吸法を行うと長く息を吐けるし、吸うこともできます。やめてからも長い呼吸が続きます。呼吸障害を持っている人は呼吸が浅く、息切れや呼吸困難を強いられていますが、この呼吸を行うことで吐く息も吸う息も長くなって呼吸困難を軽減します。注意事項として他の呼吸法にも言えるのですが、呼吸困難の時には肩をあげたりする呼吸をしがちですが、これは首にある二次呼吸筋を使うことになります。この呼吸はやめましょう。首に大きな負担がかかります。
 <鼻すぼめ呼吸法のやり方>
息を吐きます。両鼻から5秒で息を吸います。次に右手を両鼻の小鼻に当て、2秒間のクムバクをしてから手で抵抗をかけながら10秒で息を吐きます。腹腔や胸に力が入ることは丹田強化になって良いことです。そして手を下ろして両鼻から5秒で息を吸います。5分から10分間行います。この鼻すぼめ呼吸は鼻腔にも圧力がかかり、心地よい耳管の刺激にもなります。

5.カパラバーティ(浄化の呼吸)
早い呼吸を行うと、頭頂に光を得るという意味でこの名前がついています。真意は別してお腹を急速に動かして短く息を吐く呼吸法です。過呼吸(呼吸性アルカローシス)とよく似た呼吸ですが、吐く息が強くて、吸う息は自然であるところから過呼吸のような障害はありません。この呼吸は強く血液に酸素が送り込まれるため、数分間行うだけで元気になる呼吸法と言われています。目覚めの呼吸法としていいでしょう。
<カパラバーティのやり方>
他の呼吸も同じですが、特に空腹の状態で行います。すぐに早い呼吸を行わないで、呼吸を観察します。そして腹をへこまして息を吐き、その反動で息が吸えるのを確認します。これを2、3回行います。徐々に速さをあげていきます。吸う息は自然に任して、吐く息だけを強く出します。1秒間に一回の割で60回行います。60回終えた時、吸う息でクムバクを10秒行い、息を吐いて楽にします。これを1サイクルとして3回行います。次に左鼻だけで3サイクル、右鼻だけで3サイクル行います。終わった後はゆっくりとした呼吸を数回行ってください。もう少し早く60回を30秒を楽にできるときは、この方法で進めても構いません。右鼻左鼻はそれぞれ交感神経刺激、副交換神経刺激なるので自律神経のバランスに役立ちます。
別のやり方として両鼻で上記と同じように60回行い、1サイクル。次に片鼻呼吸のように手で鼻を押さえ、左鼻から60回行い、同様に1サイクル、次に右鼻から1サイクルで終えます。

他にも紹介したい呼吸法があります。
・笑いの呼吸 大きな声で笑います。体を動かしながら行うと効果抜群です。
・ライオンの呼吸法 戦う意欲が出てくる呼吸法です。
・バストリカ(ふいごの呼吸法)長く息止めるための呼吸法です。肺を強くする呼吸法です。
・スカアプルバク ナディショダナの中で吸って10-20止める呼吸法です。鼻腔のリズムを整える働きがあり、ナディショダナよりも強い効果が得られます。
・ウディアナバンダ 吐いて息を止めます。このとき肋骨を上げて内臓をリラックスさせます。吸うときは必ず肋骨を下げてから息を吸います。息苦しさを少なくする呼吸法です。炭酸ガス耐性の強化です。
・数息法 マインドフルネス、座禅で行う呼吸法です。1から10まで呼吸をゆっくり数えます。そして10までいったら、また1から数える呼吸法です。
・478呼吸法 入眠しやすくなる呼吸法で4秒で吸い、7秒止めて、8秒で吐きます。止めた後の吐く息でリラックス効果が得られるのでしょう

TNC_発達ステップ

沖ヨガ北海道連合会の緊急事態明けのセミナーに参加して上記のテーマで話しをしました。懐かしい面々が集まりお互いの安否&活動など交流しました。この会は設立から事務局長、副会長、総務、代表世話人など肩書きはさまざまですが、それも30歳の時の設立から40年間で役を降り、今は気ままに参加させてもらっています。残念ながら写真を撮らなかったので、レジメだけを紹介します。
終了後の反応は上々で、やはり心身の不調、普通の行動が取れない教室受講生の人がいるけれども、この発達ステップのエクササイズを是非取り入れたいという相談もありました。このエクササイズは他のエクササイズが出力させることが中心で不調な人はついてこれないのですが、発達ステップは入力を意識することが大切であり、それを元に心身の不調を解消するものです。
加齢や運動不足は単なる筋肉骨格だけでなく、脳の機能までも低下します。脳の向上について、可能性のあるエクササイズをこれからも伝えていきたいと思います。

TNCプログラム_ベーシックコース修了


TNC(TOTAL NEURO CONDITIONING)という江口典秀氏主宰の「神経科学」を学びました。そのTNCは「脳・神経科学」への刺激とその効果を通して機能回復や健康増進に導くトレーニングのことを言います。このトレーニングはスポーツ選手の能力開発、又カイロプラクティクの心身不調の改善、そして発達障がい改善へのアプローチになっています。

2021年5月から8月までコロナ禍の最中に、オンラインを中心にTNCプログラム ベーシックコースを受講し、先日実技・補講を経て修了試験を合格しました。覚えることがたくさんあり、また実技テストも使えるようになるまで何回も練習しました。

TNCプログラムは立ち座り歩くとところからプロ運動選手のパフォマンスの達成という、運動機能から一般の健康維持の向上に役立てる「神経コンディショニング」を整えるシステムです。

日常の生活や運動に必要な体の動きをコントロールしているのは脳神経系です。感覚情報として感覚が入力されて大脳や小脳、脳幹等で情報処理して、思い通りの動きが発揮されます。正しく感覚入力され、脳で処理され運動機能が高まります。私たちはこの脳・神経のコンディショニングを行っているからこそ思い通りの動きを実現することができます。

感覚入力とはご存知のように「見る、聞く、匂う、味わう、皮膚などに感じる」働きを言いますが、他にも「前庭感覚」も基本的な感覚のひとつです。前庭感覚の働きは姿勢制御のための感覚です。それは立ったり、歩いたりそして運動する能力などがこの前庭感覚です。この前庭感覚は三半規管、耳石器の二つが入力として受け取り、小脳や大脳の機能を合わせて、運動機能、パフォーマンス、健康維持の向上に役立っています。

TNCプログラム ベーシックコースの1章は出生から1年をかけて立つまでの発育過程の原始反射および神経システムを学びます。原始反射の残存や発育過程の不全で脳機能の低下が原因で心身の行動が不完全な時に1歳くらいに卒業をしていなければならない動きを再現して心身の改善に役立てます。これは生命の進化過程をたどる動きです。詳しくは前項の<強化法・修正法を脳神経学的に説明>参照。

脳機能の低下に陥ることは脳卒中だけでなく長期のストレスなどの脳疲労や加齢、運動不足などにも起こります。一般の成人では高度の大脳の活動により出生後の原始反射は抑えられていますが、脳機能の低下が出現すれば、日常生活や運動機能低下が現れます。これを防ぐTNCエクササイズはとても大切で、いつまでも脳の機能を高め続けます。

2章は立つ歩くための制御です。立つ歩くためには目の感覚も大切です。当然前庭感覚、また足裏などの感覚、体性感覚と言いますがこの3つの入力系が大切です。この機能を高めるエクササイズがあります。前庭器官の仕組みも学びました。
私は現在73歳で歩くのも、駅の階段を降りるのも少し遅くなったと感じていましたが、この2章のエクササイズを行うことで少し早くなった気がします。

3章は眼球運動の制御です。私たちの生活は視覚に頼ることが他の感覚よりもはるかに多いことに気がつきます。この視覚、眼球のコントロールのエクササイズです。この眼球エクササイズも立つ歩くの役割りを担っています。眼の機能はこの歩行だけでなく瞬間的に認識する機能は生活の中でも広範囲に使われています。車の運転もそうですし、本を読む機能、究極の使い方はプロ運動選手に当てはまります。
車に乗って気がつかずにヒヤッとすることや、読書がスムーズに進まないというのもこの機能です。専門的にはサッケード衝動性眼球運動と言います。

TNCプログラムは学ぶほど奥が深い分野でかつ生活に密接に関係しているのです。ヨガの指導にこのTNCプログラムを取り入れる企画を練っています。

<強化法・修正法を脳神経学的に説明>

沖ヨガの特色は生命力を強化する方法として強化法や修正法があります。またそれらは 沖ヨガのカリキュラムの中では不可欠なものになっています。

最近水野はTNC(TOTAL NEURO CONDITIONING)という江口典秀氏主宰の「神経科学」を学ぶことになりました。そのTNCは「脳・神経科学」への刺激とその効果を通して機能回復や健康増進に導くトレーニングのことを言います。このトレーニングはスポーツ選手の能力開発、又カイロプラクティクの心身不調の改善、そして発達障がい改善へのアプローチになっています。

まだ始まったばかりの学びの最中ですが、その内容を見るとヨガの強化法、修正法の理解がこれで深められることに気がつき、未熟ですが紹介することになりました。
脳には中枢神経系、末梢神経系がありますが、中枢神経の脳幹こそが動物の機能を司る源であります。それを強化することが底辺からボトムアップして大脳新皮質の強化になることで強化修正法が必要でした。強化修正法をすることで複雑な機能(脳幹網様体)を経て脳の機能強化になることがわかりました。
私たちが生まれるときの動きは当然獲得された脳の働きでなく、本能・無意識で動く「反射」がすべてです。胎児が産道を通るとき胎児は狭い骨盤の中をねじるようにして生まれてきます。背中をこすったり首を捻ると背骨がしなる、体が捻れるなどの動きは「反射」で起きます。一度、その出産という体験をすると、その反射は無くなりますが、大人になってもその反射が残ったり、再現する場合があります。

繰り返しますが私たちは胎児として育ち、出生し、そして立つまでの期間に生じる重要な原始反射があり、刺激があって反射、その反射が終わると次の反射と次々に成長に伴って複雑な動きを行い、同時に脳を成長させていきます。そして一度出現した反射は抑制され、前頭葉が発 達(賦活)すると現れることはありません。胎児の出生の時に異常な難産であったり、強く鉗子を使った出産の時も原始反射は残りやすいと言われています。
ただ、普通は私たちは不都合な原始反射は成長過程において様々な運動形態が存在し、統合 (卒業)され現れてきません。ところが何か大きな病気や怪我があって、脳機能の働きが低下した時に抑制されていた、原始反射が現れることがあります。例えば長期のストレス、運動不足、加齢による動きの減少などは脳の機能を低下させ、原始反射の残存の可能性を強いられます。

そのようなときに、TNCでは統合という強化修正法があります。統合とは卒業という意味で、もうその反射は出なくてもいいということです。
その統合という動きは沖ヨガの強化法修正法そっくりなのには驚きました。背中を刺激したり、ワニの歩き方をしたり、また赤ちゃんの寝返りなどを行うことで脳が統合化(卒業、修正)され、愁訴が楽になることがあるのです。
これらは、なにも問題のない人、いやそのような人はいないと思います。何らかの問題を自分の中にあり、原因不明の心身不安が必ずあるはずですが、しっかりと強化法をしておくことが、体調不良の時に胎児の原反射が出る可能性も早めになくすことができます。そのためにも強化法は必要なのです。

不定愁訴とは逃避行動、過剰反応、決断困難、ボール遊びができない、夜尿症、自転車 に乗れない、多動症、貧乏ゆすり、集中不能などなどを言います。 臨床医療では「発達障がい」というジャンルに当たるそうです。

ただ、医療関係者の発達障がいという項目を見ると以下のような記述が普通でした。
※※※※発達障害とは生まれつきの特性であって、病気ではないといわれるようになってきました。現時点では すべてが特定されたわけではなく、脳機能が発達していく過程においてアンバランスさが生じることで 起きると考えられています。発達障害について論じられるときに主な障害とされるのは、「LD:学習障害」、「ADHD:注意欠陥多動性障害」、「ASD:自閉症スペクトラム障害」の3つです。これらが個別に存在するというよりは、ADHDの特性とASDの特性を併せ持つ、あるいはADHDとASD、そして LDを併せ持つというように、複数の特性が重なり合って出ることが多く見られます。※※※※ https://doctorsfile.jp/h/25025/mt/1/

私はヨガを学び伝えるものであり、医療関係者ではありません。不定愁訴の治療に関することは医療機関に委ねるのが本筋です。そして私は発達障がいという名称を使わずに人間本来持っている、自然回復力を促すために「成長支援」と呼びたいと思っています。

なお、現在、TNCセミナー(神経科学を)共に学んでいる方が日経新聞に投稿された記事があります。是非一読される ことをお勧めします。
<日経新聞 ランニングを脳と神経科学から捉え直す ランニングインストラクター 斉藤太郎氏>

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呼吸法の実践1

古来からの呼吸法は「丹田呼吸法」や「腹式呼吸」などがあり、他に呼吸器改善法では「口すぼめ呼吸法」、誤嚥防止には「パタカラ」、または「パンダノタカラモノ」、発声法では表情筋を促すために「アエイウエオアオ」などがあり、呼吸法は生命力だけでなく、生活力の決め手でもあります。
 最近では「ノーベル呼吸法」という一酸化窒素(NO)排出に効果がある有酸素運動(脈拍をあげて20分以上の運動)で血管内壁からNOを発生する方法、片鼻呼吸法による副鼻腔からNOを発生する方法が知られています。このNOはダイナマイトを生産する工場での工員が作業中だけ心臓病が良くなったことで知られ、ニトログリセリンは爆薬であり、また一方では心臓病治療薬として有名です。呼吸法で血管拡張など改善されることはうれしいことです。ただし10分くらいは片鼻呼吸をする必要があるということです。散歩やジョギングといった有酸素運動も大事です。
 また、ハーバード式呼吸法というのがあり、不眠の方に推奨されています。自律神経を整える方法で日中から60~90分に1回、1分位行うとありました。やり方は4、7、8、(きついと思えば4、4、8)があります。すなわち4秒で吸って7秒止め、8秒吐くというやり方です。日中ストレスを感じている方にもいいそうです。ヨガの完全呼吸法に通じるところがあります。
 まだまだ呼吸法は未知の分野であり、実践と考察を重ねていく必要があります。

実習
プラーナーヤーマ 意味は呼吸を長くしてコントロールすること。
  ⑴ウジャーイ:流れの観察の意味 喉のところで小さな音たてる
     ◉ウジャーイはアサナ、プラ ーナ ーヤーマの共通の呼吸法。
     この呼吸法は生命力を神からの賜物として拝受し感謝し、
     崇高な気持ちで、また歓喜して息を吸う。
     謙虚な気持ちを静かに表しながら感謝の心で吐く。
     クムバカの時は皮膚全体に息が広がるのを感じる。
     クムバカは5~15秒くらい。それぞれ10分~15分を推奨。
     (アイアンガー著書)
     呼吸法のはじめは、まず吐いて、そして吸って終わる。
       1吸う:吐く3分(5:10)
       2吸う:止める:吐く3分(5:10:10)(完全呼吸法)
     基本は1:2:2であるが1:4:2でも良い。
      (5:20:10)や(5:10:10:10)もある。
 (2)バンダは息を止めてプラナのコントロールのために行う。
     吸った後のバンダをアンタラクムバク、
     吐いた後のクムバクをバヒャークムバクという。
     喉を締めるジャーバンダラバンダ、
     肛門を締めるムーラバンダがあるがムーラバンダは
     初心者は禁忌である。
     また腹を締める、肋骨を持ち上げるバヒャークムバクの
     ウディヤナバンダも慣れてからの方が良い。
 (3)アヌローマ 鼻すぼめ呼吸   呼吸量の増加の働き。
     口すぼめ呼吸やストロー呼吸に似ている。
     鼻孔を指で、吐く息をコントロールする。
     吸うときは手を下ろす。吸って2秒止める。
    1両鼻を半閉じでコントロールする。左右均等に吐く。3分(5:10)
    2右鼻孔から半閉じで吐く。3分(5:10:10)
    3左鼻孔から半閉じで吐く。3分(5:10:10)
   片鼻を押さえる方法は右手の親指と薬指小指を使う。