<強化法・修正法を脳神経学的に説明>

沖ヨガの特色は生命力を強化する方法として強化法や修正法があります。またそれらは 沖ヨガのカリキュラムの中では不可欠なものになっています。

最近水野はTNC(TOTAL NEURO CONDITIONING)という江口典秀氏主宰の「神経科学」を学ぶことになりました。そのTNCは「脳・神経科学」への刺激とその効果を通して機能回復や健康増進に導くトレーニングのことを言います。このトレーニングはスポーツ選手の能力開発、又カイロプラクティクの心身不調の改善、そして発達障がい改善へのアプローチになっています。

まだ始まったばかりの学びの最中ですが、その内容を見るとヨガの強化法、修正法の理解がこれで深められることに気がつき、未熟ですが紹介することになりました。
脳には中枢神経系、末梢神経系がありますが、中枢神経の脳幹こそが動物の機能を司る源であります。それを強化することが底辺からボトムアップして大脳新皮質の強化になることで強化修正法が必要でした。強化修正法をすることで複雑な機能(脳幹網様体)を経て脳の機能強化になることがわかりました。
私たちが生まれるときの動きは当然獲得された脳の働きでなく、本能・無意識で動く「反射」がすべてです。胎児が産道を通るとき胎児は狭い骨盤の中をねじるようにして生まれてきます。背中をこすったり首を捻ると背骨がしなる、体が捻れるなどの動きは「反射」で起きます。一度、その出産という体験をすると、その反射は無くなりますが、大人になってもその反射が残ったり、再現する場合があります。

繰り返しますが私たちは胎児として育ち、出生し、そして立つまでの期間に生じる重要な原始反射があり、刺激があって反射、その反射が終わると次の反射と次々に成長に伴って複雑な動きを行い、同時に脳を成長させていきます。そして一度出現した反射は抑制され、前頭葉が発 達(賦活)すると現れることはありません。胎児の出生の時に異常な難産であったり、強く鉗子を使った出産の時も原始反射は残りやすいと言われています。
ただ、普通は私たちは不都合な原始反射は成長過程において様々な運動形態が存在し、統合 (卒業)され現れてきません。ところが何か大きな病気や怪我があって、脳機能の働きが低下した時に抑制されていた、原始反射が現れることがあります。例えば長期のストレス、運動不足、加齢による動きの減少などは脳の機能を低下させ、原始反射の残存の可能性を強いられます。

そのようなときに、TNCでは統合という強化修正法があります。統合とは卒業という意味で、もうその反射は出なくてもいいということです。
その統合という動きは沖ヨガの強化法修正法そっくりなのには驚きました。背中を刺激したり、ワニの歩き方をしたり、また赤ちゃんの寝返りなどを行うことで脳が統合化(卒業、修正)され、愁訴が楽になることがあるのです。
これらは、なにも問題のない人、いやそのような人はいないと思います。何らかの問題を自分の中にあり、原因不明の心身不安が必ずあるはずですが、しっかりと強化法をしておくことが、体調不良の時に胎児の原反射が出る可能性も早めになくすことができます。そのためにも強化法は必要なのです。

不定愁訴とは逃避行動、過剰反応、決断困難、ボール遊びができない、夜尿症、自転車 に乗れない、多動症、貧乏ゆすり、集中不能などなどを言います。 臨床医療では「発達障がい」というジャンルに当たるそうです。

ただ、医療関係者の発達障がいという項目を見ると以下のような記述が普通でした。
※※※※発達障害とは生まれつきの特性であって、病気ではないといわれるようになってきました。現時点では すべてが特定されたわけではなく、脳機能が発達していく過程においてアンバランスさが生じることで 起きると考えられています。発達障害について論じられるときに主な障害とされるのは、「LD:学習障害」、「ADHD:注意欠陥多動性障害」、「ASD:自閉症スペクトラム障害」の3つです。これらが個別に存在するというよりは、ADHDの特性とASDの特性を併せ持つ、あるいはADHDとASD、そして LDを併せ持つというように、複数の特性が重なり合って出ることが多く見られます。※※※※ https://doctorsfile.jp/h/25025/mt/1/

私はヨガを学び伝えるものであり、医療関係者ではありません。不定愁訴の治療に関することは医療機関に委ねるのが本筋です。そして私は発達障がいという名称を使わずに人間本来持っている、自然回復力を促すために「成長支援」と呼びたいと思っています。

なお、現在、TNCセミナー(神経科学を)共に学んでいる方が日経新聞に投稿された記事があります。是非一読される ことをお勧めします。
<日経新聞 ランニングを脳と神経科学から捉え直す ランニングインストラクター 斉藤太郎氏>

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