筋トレのすすめ

 今まで長い間、ヨガというストレッチ系に関わってきましたが、最近になって筋トレを始めて5ヶ月になります。初めはスクワットを10回程度の幼稚なスタートでしたが、徐々に興味とマスコミの話題によって、自宅で定期的にするようになりました。現在75歳。団塊の世代です。
 目的はフレイル予防、サルコペニア予防に尽きますが、免疫強化にも役立つそうです。それに筋肉による体重増加に興味を覚えています。筋トレを始めるまでは65kg (身長175cm)でしたが、現在は70kg。内臓脂肪(普通の体重組成計にて)はやや多いであまり変化ないです。そうです。筋肉が増えたのです。体は若干ですがサイズアップしています。
 昔を思えば、ヨガに関わるとは考えられないくらい体が硬く、当時の沖ヨガの創始者沖正弘先生は「人生強化法」という心身強化の教えにハマり、体の強化ならまかしときといった風潮でこの世界に飛び込みました。ところがだんだんヨガブームになってくると、柔らかさ、ストレッチ系が中心となり、かなり焦りましたが、当時のヨガ指導はかなりの配分で強化法、腹筋背筋ジャンプなど取り入れていました。
 実は今現在のヨガ指導が筋トレのメニューを入れると、なんやら昔に戻ったような気がしています。そして腹筋や背筋など筋肉強化をした方が、柔らかくなるし、ポーズもキレイになってくるのです。そんなこと、今になって気づくとはなんやら情けない気持ちです。
 ということで「今からここから」の気持ちで今「筋トレのすすめ」を書いています。たくさんのネット資料や本も出ています。それに同年齢の人も結構、筋トレをしている人が多いということに気がつきました。調べればメリットがたくさんあって、やらないわけにはいきません。当然ヨガも並行しています。
 まだ途中ですが、下記の資料にまとめました。そして周りの同年輩に「筋トレのすすめ」を勧めています。やり方はたくさんありますが、私の方法を書いておきます。
 まず負荷ですが、鍛える部位を回数と負荷で限界まで追い込みます。ほとんど自分の体重を使った動き(自重トレーニングといいます)ですが、小道具は2kg,1kg,500gのペットボトルとそれらが入るトートバッグ、時計くらいでしょうか。それらを使うこともあれば使わない種目もあります。そして種目は脚周り、腹背中周り、腕周りを日を変えて、6日間、それぞれ週2回、日曜日は休みというふうにやっています。
 そしてタンパク質を意識して取ることですが、プロテインまでは不要で、また高齢者にとって腎臓疾患などにはプロテインは問題があるとのことです。また筋肉に休養させることも大事とありました。48時間から72時間休むことで、壊れた筋肉が再生していくときに太くなるということです。それで3日に一度、目的部位に負荷をかけています。負荷が楽になれば回数を増やすか、重り(ペットボトル)を持つか、時間をゆっくりやるかなどの選択をします。負荷は徐々に増やしていかなければならないとありますが、高齢者にとってはこれらの選択で十分です。もっと上を望んで筋肉モリモリを期待しているのであればジム通いが必要でしょうが、これで怪我をする人も出ているということです。
 そして何よりも大事なのはトレーニング時間は30分で済ますことです。あまり長い間やると、高齢者にとって心臓に負荷もかかるのでこのくらいの時間でいいとの資料もありました。30分ならとても手軽です。まあ、時には10分で止める時もあります。気分も大事です。あまり追い込まないことにしています。筋肉の成長にはお酒はダメらしいですが、調べてみると2-3時間くらい経ると大丈夫だそうで、それも程々にしておいた方がいいようです。また睡眠不足、ストレス、当然タバコもダメです。
 他にもメリットがありますので是非、読んでチャレンジしてみてください。そして記録もつけておいた方がいいでしょう。

筋トレのメリット
参考https://www.nas-club.co.jp/magazine/muscle_training_merit/
○タイトル:筋トレはメリットだらけ! 
筋トレの効果と知っておくべき原理 
1.筋トレを行うことによって、がんなどの疾患による死亡リスクを軽減する効果が期待できます。
2.「ワークアウトをしている人は、そうでない人に比べて全死因における死亡リスクが23%低く、がんによる死亡リスクは31%低かった」という研究結果を発表しました。
3.筋力が低下し立ったり歩いたりするのにも不自由となる「サルコペニア」と呼ばれる加齢に伴って生じる筋萎縮を防げます。
4.筋トレによって白血球やリンパ球などの免疫細胞が増加することによる免疫力向上や、筋肉量が増えることで熱を生み出しやすくなり基礎代謝アップなど、さまざまな効果が見込めます。
5.加齢に伴い身体機能や筋力は低下します。しかし筋トレを行うと、高齢者であっても筋肉細胞の増長や成長は可能です。
6.成長ホルモンは、筋肉細胞を肥大化させる「インスリン様成長因子(IGF-1)」の分泌を促す効果があリます。
7.筋トレを行うことで、高齢者であっても成長ホルモンを増やせます。糖が分解されてできる乳酸が発生し、乳酸が脳を刺激することで、成長ホルモンの分泌を促進しているのです。
8.成長ホルモンは、各器官へ作用し認知機能や免疫機能を促進させます。

○筋トレによって分泌される物質
1.テストステロンは男性ホルモンを代表する物質ですが、前向きなマインドを保つには男女関わらず必要なホルモンです。
2.大脳に作用しポジティブな思考や決断力を高める作用を持つテストステロンは、生きる活力や生気を向上させ、バイタリティを高めてくれます。また集中力を高めたり、モチベーションが向上したりする効果もあります。
3.セロトニンは神経伝達物質のひとつで、「幸せホルモン」とも呼ばれているものです。日光を浴びると分泌されることで知られていますが、筋トレによっても分泌されます。セロトニンが分泌されることで、安心感を得られ精神が安定し平常心がします。脳の動きを活発にするために必要な脳内物質であるため、直観力を上げる効果もあります。
4.ドーパミンもセロトニン同様に幸せホルモンの一つです。生存に必要なものを得るために身体を動かす機能がある脳内報酬系 の神経伝達物質で、活力を与え、やる気を感じさせる効果があります。ドーパミンは嬉しい出来事を期待しているときや、思いがけず嬉しいアクシデントが発生したとき、また何かを達成したときに分泌され快楽を感じさせます。

「トレーニングの原理」
1.「過負荷の原理」はオーバーロードの原理とも呼ばれ、「トレーニングによって身体能力や機能を強化させるには、一定以上の負荷をかける必要がある」ということ。どんなに筋トレを行っても、負荷をかけなければ筋肉は成長しないのです。
資料:筋酸素化レベルが低下すると、筋肉中に酸素不足の領域ができ、乳酸が蓄積して、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには筋肉を大きくする作用があります。 
2.負荷のかけ方にはさまざまな方法があり、筋トレで用いるダンベルなどの重量を増やす、1セットあたりの時間を長くする、反復回数を増やすといった方法が有効です。
3.「特異性の原理」とは、トレーニングは行った内容によって適応されるということです。例えば腹筋運動を行えば腹筋が鍛えられたり、ストレッチなどをすれば柔軟性が得られたりします。もし筋力を向上させたいなら、軽い負荷で何度も行う低重量トレーニングよりも、少ない回数で高い負荷をかける高重量トレーニングのほうが早く効果が得られるでしょう。このようにトレーニングによって特定の効果を得るためには、それに適した運動をする必要があるのです。ちなみに高重量トレーニングは筋肉の肥大効果だけでなく、筋肉と脳の連携を向上させ活性化させる神経系トレーニングの効果が見込めます。
6.「可逆性の原理」とは、トレーニングをやめてしまうと身体が元の状態に戻ってしまうということ。筋トレを中断して筋肉が落ちたとしても、筋トレを再開すれば「マッスルメモリー」という働きにより、比較的短期間で筋トレを行っていたころの身体に戻れることがわかっています。

筋肉を肥大させるには変化を促す3つの要素
運動
筋肉は多くの筋線維と呼ばれる細長い細胞によって構成されており、筋肉を肥大させる「筋肥大」には、一本一本の繊維を太くし体積を増やさなければなりません。筋繊維は非常に繊細で、運動などによって身体を動かすと傷ついたり、切れたりしてしまいます。しかしすぐに補修され、損傷する前よりも太くなります。これを「超回復」といい、繰り返すことによって筋肉が大きくなるというメカニズムです。
栄養
1.筋肥大には栄養の摂取も重要です。例えば運動によって損傷した筋細胞を回復させ、太い筋細胞をつくるにはタンパク質が必要です。運動をしても超回復が発生しなければ筋肥大は起こりません。
2.断続的に高い強度のトレーニングをしている人なら、体重1kgあたり1.4~1.8gですので、体重が60kgの場合は1日84~108gのたんぱく質が摂取量の目安です。
休養
3.筋肥大をねらうなら筋トレ後は48~72時間の休息をとることが効果的です。
睡眠が不足すると筋肥大に必要な成長ホルモンやテストステロンの分泌が低下してしまうためです。人によって適切な睡眠時間は異なりますが、筋肉を大きく育てるためには1日6時間以上の睡眠をと ると良いといわれています。
多くのアスリートは1日の睡眠時間が8時間以上といわれています。
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運動プログラム作成のための原理原則-安全で効果的な運動を行うために|e-ヘルスネット (厚生労働省).pdf
3つのトレーニングの原理
1. 「過負荷の原理」ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。
2. 「特異性の原理」運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。
3. 「可逆性の原理」せっかく獲得した効果もトレーニングを中止すると失われてしまうことです。
6つのトレーニングの原則
1. 「意識性の原則」トレーニングの内容・目的・意義をよく理解し、積極的に取り組 むことです。
2. 「全面性の原則」有酸素能力・筋力・柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。
3. 「専門性の原則」競技や健康づくりなど目的にあった機能(筋力・筋パワー・筋持久力・有酸素能力・柔軟性など)を優先的に高めていくことです。
4. 「個別性の原則」トレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにします。
5. 「漸進性の原則」体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ・量・技術課題を次第に高めていくことです。
6. 「反復性・周期性の原則」運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。

免疫力強化_発声体操&笑い

今春に取材を受け、「北海道の病院 2023」に<発声体操&笑いのヨガ>が掲載されました。「笑う門には福来る」のいわれ通り、笑いの研究が進められ、免疫力強化が実証されています。

教室でも1分間の笑いをときどき行っています。クラスによっては毎回必ず行います。声を出すこと、腹に力が入り、長く息を吐き出すのでリラックスには最適です。また発声体操もアイウエオの音を体を使いながら、大きな声で行います。これも息が続く限り行うので腹筋強化、丹田強化にとても良い動きです。

大きな声を出すのにご近所さんに対して抵抗がある時は小さい声で大きく口を開けて、お腹に力を入れて行います。気分も爽快です。ぜひ日課に取り入れてください。

痛みに強い脳を作る_指ヨガ

webニュースに「痛みに強い脳」というタイトルで指ヨガが掲載されていました。指ヨガ以外にも面白くて参考になりますので、ここに掲載させていただきます。

指ヨガは沖ヨガ協会理事長の龍村修先生が応用開発された手軽にできる日々のケア方法です。私は14,5年前から指ヨガの普及活動をしてきましたが、今回某団体から資料作成を依頼され、動画を入れてかなり詳しく制作したところです。その作品は某団体に渡しましたが、迷惑のかからない範囲で新たに資料を作りました。ぜひ勉強していただきたいと思います。下記にURLを貼り付けました。

指ヨガとは 独自制作

https://mizunoyoga.com/yubiyoga_kenkou.html

また「痛みに強い脳を作る」の記事は下記のとおりです。

沖正弘師の著作「生き方の探求」

この沖先生の著作は「沖ヨガ修道場」で発行されていた月刊誌「求道実行」の初期のものと思われます。偶然入手しましたので、沖ヨガの真髄ともいうべき簡潔な教えが中に入っています。是非読んでいただきたいので、ここに載せたいと思います。

逆立ちのポーズと肩立ちのポーズ

BKSアイアンガー「ハタヨガの真髄」から逆立ちのポーズと肩立ちのポーズを抜粋しました。

この本は一つのポーズを多くの紙面を割いています。是非、日々の取り組みに生かしてほしいと思います。逆立ちのポーズができない人が多いですが、壁を利用しても良いでしょう。繰り返しすることで、何か必ず進歩します。肩立ちのポーズも同様です。きれいな美しいポーズでなくてもとにかく、やってみることが大切です。そして紙面にもあるようにまず1分、それができれば2分、と時間を延長していきましょう。

この二つのポーズはポーズの王様、母なるポーズと言われるくらい大切で効果が大きなポーズです。ヨガのポーズはそれぞれ筋肉や神経、内臓に刺激を加えることを目的にして、その刺激が普段の偏った体癖からくる不調を自ら修正するという考えです。

逆立ちのことをヘッドスタンドポーズといいます。一部腕も使いますが、頭で体を支えるポーズです。脳の機能を活性化する可能性があるのなら是非やってみたいポーズです。内臓の逆転も内臓強化になります。詳しくは抜粋を読んでやってみてください。

2008-12-10 親鸞

古いブログに親鸞のことを書きました。復刻版として掲載します。作者の丹羽文雄は浄土真宗のお寺の長男として生まれ、住職の傍ら数多くの作品を生み出しています。’230114

2008-12-10 親鸞
ヨガを学ぶにあたって仏教というものを少しは知りたいと思い、以前に読んだことのある丹羽文雄著、親鸞を読みかえしました。
以下の生涯の話は小説を前提にしています。しかし小説、作り話かもしれませんが著者が親鸞を通して生きることの意味、宗教観を述べていること、そしてその中から煩悩の考え方を知ることはヨガを別の角度から学ぶことになるでしょう。

親鸞は自らの苦悩をとおして念仏という手法を使い、師である法然の教えを広めました。はじめから、宗派の開祖になるつもりはなく布教する喜びを通して生きることの苦しみ、欲望を持つ自分と戦ったのです。僧侶として公然と妻帯し、普通の人が歩む道を庶民とともに悩み、嘆き歩んだのです。
そしてそれは、弱い人間が生きていくために只、仏の力のみを信ぜよと言う他力本願を勧めているのです。自力にいたらしめるそのものが仏の力だといいます。ヨガの世界で言えば仏の力とは生命力のことでしょうか。命の働きに素直になれと言うのでしょう。
当時の仏教は鎮護国家が目的であり、支配階級のみでした。宇治の平等院は藤原家のものであり、極楽浄土を願う親鸞と同じ阿弥陀如来を本尊にしています。しかし源信や法然とともに民衆への仏教に急速にこの浄土の教えは広まっていきました。それだけ生きるのが苦しかったのでしょう。後にこの宗派は一向宗、門徒宗となって全国津々浦々に広まっていきました。
煩悩や悟りといった文がたくさん出てきます。引用の数字の4-42は4巻42ページを表します。

木は、自分によって燃え上がる火によって、自分全体が火になってしまう。悟りと煩悩の関係は木と火のたとえのようである。煩悩と離れられないからこそ、悟りは煩悩を燃やして智恵となるのである。煩悩は煩悩であることによって燃えて智恵となるのだ。煩悩、自分の中から得た智恵によってつくりかえられる。煩悩はみちびかれる。煩悩全体が変じて智恵となるのだ。智恵の母体は煩悩それ自身である。4-42
人間のもろもろの欲求を放れたところには、仏はないということだった。「生きている人間だけが、仏になれると言うことである。この身で、この世で成仏するほかには、悟りのひらきようがないのだ。」4-43

仏は光である、光は智恵であるという意味のことを、親鸞はあらゆる場合に口にした。光りはもののすがたをありのままに照らすものだ。あるがままのものを、ありのままに知るはたらきが、仏法で言うところの智恵であった。ことばを変えると仏にしたがうということは真理にしたがうということになる。仏のはたらきとは、ありのままな真理のちからであるということになる。それが釈迦以来の仏教の本流であり、基本的な考え方であった。親鸞もそうであった。

「煩悩は煩悩であることによって燃えて智恵となるのだ。煩悩、自分の中から得た智恵によってつくりかえられる。」煩悩はあってもいいのです。マンネリや不満があっても、そのことに気づき、そのまま二者両立を目指す心境を知恵といいました。煩悩を消して意気消沈するよりは激しい欲やエネルギーを社会のために使うこと、能力を発揮、高めることのほうがクリエイティブなのです。

「木像よりは画像、画像よりは名号」とつねに口にしていた親鸞であった。それなら親鸞の意に反して、宗派を確立しようとした覚如は不肖の曾孫ということになる。4-47
寺もいらぬ、経もいらぬ、ただ六字の名号があればよいのだと、九十年の生涯を通した。4-48
親鸞はいついかなる場合にも、浄土真宗なる新興の旗をたてたことはなかった。4-80
歎異抄をあらわした唯円は廻心ということを反省とか、懺悔とか自己批判という意味に解しているようであった。が、廻心は改心とはちがうのだ。煩悩具足の凡夫には、善心とか清浄心というようなものは、もともと持ち合わせていないのである。善悪のけじめさえのみこめていないのだ。改めようがないのである。親鸞は人間とはそういうものだと見きわめていた。その凡夫にできることは、改心ではなく廻心である。改めるのではなく、向け直すのである。凡夫のままで、仏の道をあゆむことであった。4-76

自分の内にみい出される他力のはからいによって、ためらわず、疑わず、自力いっぱい生きることこそ、とりもなおさず絶対他力の信心生活である。そのような生き方を不安がったり、疑ったりするのは、仏の智慧と慈悲を知らないところからくるものだ。4-84

根本の心理を悟って、それ以後はまったく煩悩疑惑がなくなることを意味するが、もしも廻心をそういうふうに解釈しているのなら、とんでもないまちがいだ。大悟徹底とはよく言われる言葉だ。しかし人間が生きていく上にはたしてそのようなことが可能か。悟った瞬間から人間がすっかり変わるものかどうか。私は今日まで、人間というものは決してそうしたものではないということを、くどいくらい、そなた(子の善鸞)に話してきたと思っている。廻心とは大悟徹底ではない。生活全体が廻心につらぬかれているということは、仏の誓願を信じるということの裏には、かぎりない反省と自己批判があってのことだ。大悟徹底したおかげで、以後は煩悩疑惑と一切縁が切れるというものではないからだ。4-89

二十九歳のとき、ひとたび廻心し、以後は死ぬときまで廻心生活を続けながら、親鸞は絶望と、悲歎と、懺悔をくりかえした。これは容易ならぬことであった。教法の真理性は、自己において自証されるものでなければならないのだが、親鸞は九十年の生涯にわたって絶望し、悲歎し懺悔することによってそれを自証した。教えというものは、たれのためのものではなく、よくよく自分ひとりのためのものであった。4-94
善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや
親鸞は「自然法爾」ジネンホウニを書いた。自然とはそのものとして自らそうなっていることをいい、法爾とは真理そのものにのっとって、そのごとくあることをいうのである。親鸞が自力のはらいを捨てて如来の手にすべてをまかせきることを自然法爾と説いたのは、その意味であり、弥陀という絶対の中に身を投ずることを意味した。4-370

親鸞ははじめから浄土真宗の開祖ではありません。そんなことどうでもよかったのです。名号、称号の南無阿弥陀仏だけを唱える生き方でした。寺も何もありませんでした。阿弥陀如来の慈悲を信仰し、全ての人が浄土へ往生して成仏するという絶対他力への信仰でした。
京で妻帯し、京を追放され、越後に流され、許された後は関東で布教活動を行い、そして晩年はまた京に戻っています。そのとき関東の門弟たちの信仰上の動揺を鎮めるために子の善鸞が派遣されましたが、親鸞と異なる教えを広めようとして善鸞を破門してしまいました。教えても教えても理解できない子に対する愛情があふれています。このことも親鸞を大いに苦しめることでした。仏教でいう四苦八苦の愛別離苦が襲うのでした。

善鸞にとって父の教えはあまりに奇怪であった。いままでだれもそんなことは言っていなかった。父の師の法然ですら、そんなふうに言っていなかった。即身成仏というのは、この肉体のままで仏になるというのだが、それは真言秘の教えの根本の意趣であった。そのためには、三密加持といって、手に印契を結び、口に真言を誦え意に本尊を観じて、大日如来の身口意の三業と行者の三業とを相応せしめる神秘な修行によって成就される悟りであった。また、六根清浄といって、眼耳鼻舌身意の六根、すなわちこの肉身が清浄無垢となって、無碍自在のはたらきをなす法は、一乗の妙典である法華経に説かれていることであった。それは四安楽行といって、身も心も安楽にみちびく身口意と誓願との四つの修行によって感得される功徳であった。真言の即身成仏も、法華の六根清浄も、いずれも難行の道であって、生まれつきすぐれた聖者によって漸く修することが出来、観念を凝らしてはじめて成就される悟りであった。悟りとはそういうものだと善鸞は思い込んでいた。4-46

善鸞の考えは現代にもよくある状況です。自力で行う座禅瞑想を独学で行うものほど、野弧禅という独りよがりの悟りに達するのです。自分は特別な存在であり、悟ったから人を導く権利ができたなど、という話はよく聞きます。親鸞のごとく死ぬまで自分の師は法然であるという下座心と感謝心が心の成長には欠かせません。禅や真言の世界でもここのところは長い歴史の中で組織として厳しく律しているとありました。

最後に私はいかなる宗派にも所属していません。ヨガには考え方がありますがそれは生命即神という考え方です。命の働きは親鸞の考えにも似ているところがあります。煩悩の肯定です。思い通りにならなくて良かったなぁ。具合悪くて良かったぁ。そこから努力し命の計らいに協力することを生活に求めるのです。生きるのに思い通りにならないからヨガの先生になったという人もたくさんいます。人に説き、自ら動き、自分を戒めるのです。

TNCアドバンスコースレポート

TNCートータルニューロコンディショニングーを学んで3年目になります。その間ベーシックの復習期間もあり、今年はアドバンスコースにチャレンジしました。
脳・神経の発達そして強化、そして衰退にどのように対処するかを学びました。強化にいたっては筋力不足もあり、ついていけないところもあります。そしてあらゆる生物と同じく衰退期のプロセスも面白く講義を受けました。なにせ自分のことですから実感することばかりです。
それぞれの講習でレポート提出を課せられましたのでここに記録として載せていきます。誤字脱字があることに気がつきましたがそのまま載せることにしました。
TNC_水野レポート1
TNC_水野レポート2
TNC_水野レポート3
TNC_水野レポート4

バランスをよくする方法

病的ではないけれど、立って靴下やズボンが脱げない・はけないでふらつく、ヨガの「木のポーズ」(片足で立って手を上にあげる)がうまくできないなど、何かバランスが悪いとき、加齢だけのせいにしないでそれを克服する方法をいかに述べます。このバランスの悪さはくらやみになると一層、悪くなります。なんでもないと思っていても転んだりぶつけたりで、大変危険でもあります。家庭の中で転んで入院、そのまま寝たきりになるケースも多々あります。(私の父がそうでした。)
ここでは前にTNCプログラムの紹介をいくつかしています。その流れでもあります。
参考資料として以下のブログに記事としてありますので是非ご参照ください。
※1強化法・修正法を脳神経学的に説明※2TNCプログラム_ベーシックコース修了※3TNC_発達ステップ




同じものをPDFで掲載します。
TNC_7モーションを学ぶ

感謝のこころ

年の瀬も迫り。「お世話になりました」「いいお年を」の挨拶が飛び通います。
そんな数年前の出来事です。押しボタン式の横断歩道をいつもと同じように青になるまで待っていました。青になったので、いざ渡ろうとした時です。目の前をダンプカーが走り去って行きました。瞬間のことなので「えっっ」と運転手の顔を見上げました。何か手を挙げている仕草が見えます。多分それは、悪い悪いというジェスチャーなのでしょうか。
通り過ぎてから、しばらく足が動きません。命拾いしました。

この出来事があってから、私は横断歩道が怖くなりました。そういえば新聞等で見る事故は横断報道上が多いのです。考えてみたら交通規則では赤はとまれ、青は行けですが、赤で止まってくれるのは絶対でありません。歩行者と運転者は全く信頼がないので、善意で止まっているにしかありません。見ず知らずの人と信頼が築けるわけありません。信号を見ていないこともあります。考え事をしていたり、スマホを手にしたり、車の中ではいろいろなことをしているのです。前を向いていないこともあるのです。そんな時に青信号になったからといって、歩道に出ることは自殺行為です。

そんなことがあってからは、横断歩道は危険な場所として、車が止まってから、またはかなり減速してから、一歩を踏み出すことにしています。そして運転手の顔を見て、そして渡り終わった時には軽く会釈をします。時には渡ろうとしている時にすでに歩行者信号は青信号を点滅していることもあります。それでも命のやり取りの場です。しっかり確認して渡らなければならないのです。
そして赤で車が止まることは決して当たり前のことではないのです。だからこそ止まってくれたことに感謝の意味で会釈をするのです。ありがとうと。渡り終えた時はとても気持ちいのです。

ヨガでは感謝とは価値を見出す己の力と言います。止まらないこともある横断歩道で止まってくれることは当たり前ではありません。これは死にそうになった自分だからこそ、当たり前でなく価値のあることです。それでありがとうと会釈をします。

私たちが生きていることでは当たり前のことは何一つありません。だからこそ一つ一つのことに小さな価値を見出すと、「ありがとうございます」の言葉が出てきます。心が和やかになるのです。この「ありがとう」だけで生きる力が湧いてくることは間違いありません。

そろそろ新年を迎えます。当たり前に新年を迎えるのではなく、今、元気でよかったな、いつもと同じでよかったな、生かされていることに感謝の気持ちで、「あけましておめでとうございます。」と言える喜びを迎えます。たくさんの人々のおかげで、今年も生かさせていただきました、ありがとうございます。
来年もどうぞよろしくお願いします。

コラボヨガセミナーについて

このセミナーは新潟市の山田晃先生と私の二人が講師になって、「沖ヨガとは」というタイトルで毎月1回、オンライン_ZOOMを使って開催しています。去年の8月から開催して16回目になります。受講者は札幌市、恵庭市、網走市、北見市、新潟市、燕市、上越市、長岡市など多方面から参加いただいています。
発端はコロナ禍が始まり、山田先生とは、沖ヨガ協会の役員であったため近況報告している間に、沖ヨガをもっと伝えたいということに意見が一致しました。当初は沖正弘先生の考え方や沖ヨガ道場での行法内容を紹介する程度でしたが、回を重ねて、系統的にテーマを作り、「沖ヨガとは」を案内しています。
この数回は山田先生は沖ヨガ10段階を毎月、1段づつ解説して現在、8段階のサマディ、三昧です。私は数回前より沖先生の初期の出版である”ヨガのすすめ”を使って動禅の説明、そしてポーズの説明を紹介しています。
最近のコラボヨガのレジメ(水野分)ここに掲載します。どうぞ一読してください。

第27回コラボヨガセミナー
第26回コラボヨガセミナー
第25回コラボヨガセミナー
第24回コラボヨガ水野レジメ
第23回コラボヨガ水野レジメ
第22回コラボヨガ水野レジメ
第21回コラボヨガ水野レジメ
第20回コラボヨガ水野レジメ
第19回コラボヨガ水野レジメ
第18回コラボヨガ水野レジメ
第17回コラボヨガ水野レジメ
第16回コラボヨガ水野レジメ
第15回コラボ_配布
第14回コラボ_レジメ水野担当
第13回コラボ_レジメ水野担当