穏やかな感情を保つスキル

心の成長を支援するセミナー第2弾  <感情を整える>
穏やかな感情を保つスキルを身につける方法
       二宮嘉朗講師のセミナーを受講して

1. 感情の起源を考える。
 無秩序にでてくる感情とは何か、それはどこからやってくるのか

 図は感情はどのような形で発生するのかを示しました。このはじめの出来事から良くも悪くもなる最終結果の感情や行動に導く講義を私の理解範囲で述べたいと思います。
 私たちは、ある出来事があると、それを見たり聞いたり匂ったり、味わったり、皮膚で感じたりなどの五感で感じます。(仏教でも色声香味触『しきしょうこうみそく』のできごとを眼耳鼻舌身『げんにびぜっしん』の五感を使って感じるという内容が般若心経の中にあります。)
 その感じたものは大脳の中で「関心があるかないか」、それは「快か不快」などを解釈し自分の中であるべき姿、状態を評価します。下等な動物や虫でも危険か危険でないかの解釈をしますが、これはほとんど本能で、次の行動(逃げるか、闘うか、取得するか)に移りますが、人の場合はさまざまな経験を通して推論したり解釈したり、そしてあるべき姿を評価したりします。
 そしてそれを「関心あるかないか」「快か不快」の感情となり、関心が無ければ感情は消滅し行動もおきませんが。関心があればそれに対して「快か不快」に対応した行動(表情、言葉、動き)をおこします。
 以上が感情はどのような形で発生するかの段階です。
2. ネガティブな感情
 不快な感情(悲しみ、怒り、いらだち、自責、失望、うらやましさ、後悔など)は誰にでも出てくる現象であり、不健康なことではありません。逆に当然あるべき感情を抑えることにより、不健康になることもあります。
 出来事があり知覚し頭で推論や解釈するとき、様々なな推論が考えられ、それに対して感情が出てきます。例えば「何かの失敗」のとき自分の感情は悲しみになりますがこの感情にはさまざまなレベルがあり、ちょっとした悲しみもあれば、ネガティブなうつ状態的な感情から耐えられない不快感情まであります。その感情のレベルが問題であり、そのレベルが次の新たな感情になることで不健康=病的な感情になる可能性がでてきます。
 図の②についての評価についてですが、不健康な感情には自分が持っている信念や評価基準から離れた出来事が起きたときに強くでるようです。例えば電車の中などの公共の場で男女各年齢層の騒がしい行動を自分がどのような感情を持っているかという設問がありました。参加者の反応は子供が騒いでいるときはそんなに不快を感じないのですが。中高年の男性が騒いでいると男性ほど不快を感じ、女性が騒いでいるとその場にいる女性ほど不快を感じることになりました。それは同性同年代ほど、評価基準が厳しいのでしょう。こうあるべきだと思う気持ちが不快の度合いを強くしているようです。
 次にそれでは不健康な感情にならないためには推論・解釈するとき、どうするかというテーマに入ります。
3.評価を変える
 先程の例でわかるように、自分の信念、自分だけで決めてしまっているかもしれない、常識的善悪、適不適、こうあるべきという発想を変えることです。簡単に変えることもできれば、できないこともありますがこのように評価を変えることで今までの無意識に出てきた不快な感情や行動は緩和されると思います。
 図の②推論や解釈の部分をもう一度取り上げます。公共の中で騒いで最低と思うことは理性的に考えたらどうでしょうか。自分だけが「非合理的思い込み」かもしれません。絶対的要求(なければならない)もあれば(最悪)と思うことも、(ダメだ)(耐えられない)などは普通に現れる「非現実的評価」の現象です。本当に最悪でもなければ、命に関わることでもないのにそのように表現してしまっています。この「非合理的思い込み」は自分の狭い考えにすぎないのです。
4.自己啓発
 この「非合理的思い込み」を自分で、又は他人から指摘され、考えをめぐらす行為を次の3点で行います。自分の不快な感情にいたる推論解釈は(現実的か=経験的に現実と一致しているか)(論理的か=独断的、絶対的でないか)(実利的か=目標や目的を達成することを妨害していないか)などと考える続けるのです。
 そこから導かれる信念評価は初めに無意識にくだしたものとは大きく異なり、新しい信念に変わっていくことになるでしょう。すなわち幼いおとなから理性を持ったおとなに変貌するのです。この作業を通して気づきを伴った自己啓発ができるのです。
 この自己啓発こそ、このセミナーの命題である「感情を整える」「穏やかな感情を保つスキルを身につける方法」になっていきます。昨今の複雑な社会、情報社会で自分自身のまわりで出来事が多すぎ、それらにひとつひとつ感応していかねばならない日常です。 当然不快な出来事も多々あり扱いを間違うと人生設計に取り返しがつかないことにもなりかねません。無意識に「非合理的思い込み」にとらわれて、状況を間違わないためにも、又自分自身の不快感情が大きく長く続かないためにも、この考えをときにふれて活用してもらいたいし、又私自身も「感情を整える」意味で大きなツールを得たという気持ちです。
 心の成長を支援するセミナーの第1回の「あなたを変える幸せマネージメント」はヨガの中では感謝する心であり、第2回目の「感情を整える」は懺悔する心と私は理解しました。
 世間一般のヨガは心の部分のアプローチが弱く、心の教えを信仰心へもっていったり個人の能力に持っていく傾向がありますが、私にはこのセミナーを通じてヨガ教室として何かヨガ講座の一部としてすすめられないか考えています。
 貴重なセミナーを開催していただいた二宮講師に深く感謝します。そして次回のセミナーを楽しみにしています。