骨ゆらしセミナーを受講して

 7月中旬に「骨ゆらし」の創始者永井幹人先生(鍼灸按摩マッサージ指圧師)が来道され、セミナーを開催し、引き続いて翌週に偶然、小樽在住で永井先生に師事されている小川先生の体験会が催されました。
 永井先生とは私の沖ヨガ修道場時代の先輩で難病の修行生を担当され、その後の実績も数多くの施術体験があり、その複雑な施術法を誰にでもわかりやすく伝えることに力を注いでおられます。今も水野ヨガ学院では「ゆらゆら体操」をリラクゼーションとして取り入れていますが、この体操の考案者も永井先生です。それから数十年を経て癒しの確信と施術の簡易法を開発され、この「骨ゆらし」になったと思います。
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 永井先生のセミナーではいきなり高度なテクニックを誰にでもできるという方法から入り、体の各部分をゆらし、伝わる、ひびく、ゆれるを主に直伝の様にセミナーが進めていきました。これでいいのかと参加者同士がまず実習するのはこの手のセミナーでは定番です。ひびかない、伝わらないの苦労をしながら感受性を身につける努力も必要でした。しかし互いに終えた後は体がリフレッシュしたことはいうまでもありません。
 永井先生のそのような下地の上に小川先生の体験会はまた違った、全身を理論通りの流れの中で手、肩、足、腰骨、頭、そして骨盤内、腹部と各部を丁寧にゆらし続けました。ほとんどの人は硬い床の上のにもかかわらず眠ってしまった人、よだれをたらしてしまった人、最高の時間が過ぎていきました。
 永井先生はこの骨ゆらしの基本は経絡指圧であり、骨髄に刺激を加え、脳にも刺激が行くイノチの複雑さを単純に「気持ちがいい」と言う表現で生命力を活性化するものと教えてくれました。そしてまた、施術する方は瞑想状態であり丹田、仏性に働きかけて自己一如を達成するものであると、さすが沖正弘導師の内弟子の一人です。しっかりと沖ヨガの伝道者でした。
 再度、セミナーが開かれるのを期待して先生の来道をお待ちしています。
 小川先生の講義資料を紹介します。
骨揺らし

ある日の研究会

 教室の勉強会で野口体操を取り上げました。研究会のシステムは研究生がテーマ毎に内容を決めて、発表・シェアをします。当然私もその内容を補足する形でコメントを入れたりします。今までに数回同じテーマを繰り返して行っていますが、それぞれがとても新鮮で新しい発見が得られます。
 まずはじめは開脚のテーマでした。さすが皆さん、見た目は柔らかくてこれ以上に発見がないようにも見えましたが、人によっては無理があったりします。ちょっとしたところが盛り上がり緊張が私には見えてきます。ヨガは見せることでなく、自分が本当に気持ちがいいのか、重さのふるさとのの地球と仲良しをしているのかが大切です。たとえ柔らかさがなくてもおかれた立場・状況でやさしく体の隅々まで暴力のない素直な気持ちを持ち続ける時間を大切にしたいと思います。その動きの中で瞬間的に無理であったも小さな動き(呼吸法含む)を繰り返すことで可能性、可動域が広がっていくのです。
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 尻歩きは長座姿勢になって片足ずつ前に出してお尻で歩いていく動きです。しかし歩くことばかりに集中するのでなく、尻を上げ下げしていると面白い現象に気がつきます。尻が床に着いている方は身動きできませんが反対の方は浮いていて自由なのです。この自由は別に前に進まなくても、後ろに動き始めても、横に移動し始めてもいい可能性を持っています。そんな動きを足踏みのように同じところを繰り返していると楽しくなってきます。繰り返すことの面白さは好奇心です。決して退屈することはありません。ほかの動作でもまた日常の退屈な作業でも通じるところがあるでしょう。
 野口体操ではイメージとは言葉にならないものを想像予感すると言っています。イメージが膨らむために擬音語を使う話しが出ました。これはちょうどNHK「オノマトペが切り開く世界とは」の番組を参考にしたそうです。今春の朝ドラ「あまちゃん」で「じぇじぇじぇ」が大流行しています。これも驚きの表現だそうです。「そーっと」も「パーン」も動作を表現する言葉です。フランス語でオノマトペというそうです。私は言葉にすることはイメージを伝達し記憶のために固定化するものですが言葉にならないイメージは可能性がどんどん広がっていきますが変質したりどこかへ行ってしまうものと思っています。このオノマトペはイメージと言葉の中間にあたるものでしょう。
 私はこの研究会の下調べをしていて面白いことを見つけました。野口三千三さんは筋肉は運動器の前に感覚器であることと言っておられます。筋肉バカにならないために繊細な筋肉を養う必要があります。私にはこれこそがヨガなんだと一人合点をしています。ほかにホトケの語源を日本語の「ほどく」に見いだし、心をほどくことでとらわれのないの世界が得られることを見つけた日本人の発想の豊かさに驚きています。このひらがなのすごさは他にも物事を分けることができたときにわかると言う言葉を作ったのも同じです。例えば双子の区別(わける)がついたときに「わかる」というようにわかる・わけるの語源は同じなのです。臓器の名前を経絡から借用した知恵も同じようにすごいことです。(http://mizunoyoga.no-blog.jp/karadanotikara/2011/12/ohashiatsu_5f59.html)
もっと日本語を勉強すべしと以下の本を手に入れました。
Hiraganade
 今回の研究ではスキのポーズの作り方で自分だけができないやり方があったことはショックでした。それは仰向き、腕を耳横において足を上げ足先を床に着ける動きです。私のできない動きの課題がまた一つ増えました。