体の硬い人のパターンは大体わかっているのですが、極端な人もいるのです。先日、同時にそんな人が、同じクラスに来られました。お一人はマラソンが大好きだけれど、膝が壊れて、一番好きなマラソンができないと嘆きます。あとのお一人は首おかしくて、いつも吐き気を感じるとのことです。ヨガは治療ではないのですが姿勢を良くしましょうと、姿勢を良くする動きを勧めました。
お二人ともまず床に座れない、膝を曲げて座ることも足を開いて座ることも、まったく不能です。困りました。座る姿勢をするだけで体はがちがちに緊張しています。ちょうど下にあるイラストのようでした。
まず、緊張をとることが大切ですから、手を後ろにおいて手で体をささえると背中は緊張しません。背中を丸くすると筋肉が硬くなって後ろへ後ろへ傾くのですから、手の支えは背中が緩むまで、そのままにして胸をそっと出していきます。まずは背中の緊張をとるためにこれだけでいいのです。5分くらいするつもりでいましょう。
次に前屈ができるように補助をつけながら行ってみました。まずお互いが向かいあって両手をお互い手首を持って後ろに倒れます。背中を伸ばすように心がけます。次に硬い人の後ろの補助の人は座り、同じように背中を伸ばすために、前に倒れていきます。
そして最後の仕上げは壁にもたれてもいいのですが、ここでは補助の人にもたれてみましょう。
これだけ行うと背中の緊張はすっかり緩み、しっかりとお尻、坐骨で体を支えることができるし、前屈のポーズもそれなりにできるのではと思います。
先のおふたか方は膝が痛くなくてしっかり正座も長座(足を伸ばして座る)もできるし、首の変な方は背が伸び胸が開いて気持ちがいいと評価してくれました。
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體の動かし方
「体が硬い人のヨガ本」は順調に版を重ね、5版を出すことが決まったと連絡を受けました。札幌駅の複合商業施設ステラプレイスに入っている大手書店では平積み扱いになって、手に取りやすくなっています。
ここでの話しは体が硬い人にも通じる楽に体を動かす方法です。体の旧漢字は「體」と書きました。若い人は知らないとのお返事ですから、話が進みません。旧漢字を使っている資料はなかなか見当たらなく、江戸時代末期の「解体新書」杉田玄白がオランダの解剖学図を訳した本ですが、これに「解體新書」とありました。(私の本ではありません。某大学所蔵とありました。)
昔は体を體とあらわしたのです。実にうまく言い当てています。すなわち骨がたくさんあると言う意味です。体は動くためにあるのですから、骨がたくさん必要なのです。動くことは骨が動くことです。ですから体は體とあらわすのです。
体を楽に動かす方法は骨が楽に動くことが大切です。骨が楽に動けば筋肉は緩むのですが、硬い筋肉であったり、力づくで骨を動かすと筋肉は緊張して骨は動いてくれません。筋肉をいためることになります。
楽に楽に骨を動かすことが楽に気持ちよくポーズを作る極意です。さあ、どのくらい楽に動かすことが出来るでしょうか。これは精神領域かもしれません。心が緊張したり暴力的発想が出てきたりすると筋肉は緊張するので楽に動かすことは出来ませんよ。だからヨガは体を使った、心の訓練だと言うのです。心静かに、やさしく落ち着いて丁寧に自分の体を扱ってください。骨はたくさんの情報を持っています。筋肉を怒らせないことで心が安定してくるのです。
忘年会の集合写真
毎年、自信を持ってカメラ担当になります。その理由は7年くらい前のコニカミノルタα-7 DIGITALを持っているだけです。これがはじめから調子が悪い。ホテルの照明は特殊な光源だからでしょうか。全部茶色になります。それを元富士フィルム社員の方に調整してもらい、なんとか焼き増しして参加者に配っていました。
このカメラはスイッチがやたらに多いので取り扱い説明書を片手にスイッチをいじるのですがわかりませーんでギブアップ。まあ、いいかのたぐいで重いカメラを今年も持参しました。今年も案の定、全く写っていない。暗い。茶色の色が濃くなったような気がします。
困った困ったと独り言言っていると、同じテーブルの方がなんと新聞社勤務だったのです。調整してくれましたがやはり良くなりません。私のカメラで撮りましょうとプロ仕様のカメラ(ニコンD300だった)で集合写真取ってくれました。今年はいい写真をできましたよ。ありがとうございました。
ちなみにスナップ写真はRICHO GRで撮りました。このカメラもいいカメラです。
夢を持つ
年始の欠礼ハガキが来たました。お世話になった会計事務所の先生が6月に亡くなっていたのです。驚きました。息子さんに事務所を形だけ預けて、10名位の所員を前に朝礼をし、あれこれと現役と同じく活躍していると思っていました。私には20数年間、経営ののイロハを教えてくれました。夜事務所に呼んでお酒やお寿司を振舞ってくれました。先生ははっきり言ってケチです。経営はけちでなければいけないと口酸っぱく言われました。家を買う時もなんでそんなむだなものにお金を使うのだと忠告されました。商売しているのなら投資しろとも。先生がお役人から税務事務所を開いた時は本当に苦しかったそうです。金は使うな。はじめの頃こんな話ばかりでした。
いつもは立派な会計事務所の事務室や応接室で打ち合わせをするのですが、今日、お参りに始めて先生の自宅に入りました。有言実行!本当に小さな部屋でした。
無駄なものは一切買わないという先生が晩年、大きな買い物をされました。札幌市内の一等地にある山を買ったのです。テレビ塔から西の方にいただきが見える山だというのです。周りは無駄なものとして大反対したそうです。しかし私にも俺の山で合宿できないか、瞑想にいいぞ、使ってくれとしきり言われていました。
功を成しても贅沢は一切されなかったけれど、夢だけは持ち続けておられたのだと、晩年になってのこの夢が生きる力なのだと思いました。
姿勢がいいとポーズも楽にできる
ヨガのポーズを作りやすくなるための新聞記事(朝日新聞10/9/25)を掲載します。相撲の仕切りのようなしぐさですが、背筋が伸びてそけい部が締まり、理想の姿勢です。特に二人でしなくても、壁に向かって行ってもよく、またイメージで行ってもいいのです。
このポーズをしてから、そりポーズのコブラのポーズでも、前屈のポーズをしても、やらない時と比べるとかなり楽にできるようになります。やはり姿勢が筋肉を緩め、そして強くするのだと確信しました。
普段、ヨガクラスで背骨をまっすぐにと言ってもなかなかしてくれません。それで背骨ってどこと聞くと、背中を指さします。いえ、違います。背骨は首から始まって尾骨までを背骨と説明します。ほとんどの方は首の骨を背骨と思っていませんので、首をいい加減に扱っています。この首こそきちんと扱って、うなじを伸ばしたり意識したりすることで体は決まり、伸びたりゆるんだりするのです。
息を止めることはストレス。
ヨガの呼吸法で息を止める目的は長く息を吐くためです。長く息を吐くとたくさん息を吸うことができます。息を止めることは体に良くないことなので、細かい作法が必要です。例えば、のどを締める、肩を下げる、肛門を閉める、首を伸ばすなどが重要です。この息の止め方はクムバクといいます。生命力を活発にする方法でもあります。
しかし、無意識に息を止めるのは緊張だというのは先の項目で書きました。「あれ何の音?」と息を止めるのも身の危険を感じるからなのでしょう。このように考えると、普段どのくらい息を止めているかはストレスの目安になるのではないでしょうか。思い通りにならない時、誰かに何かを言われはしないかと身構え、息を止める、これだけは許せないと息を止める、パソコン操作が思うようにいかないと息を止める、嫌な人が近づいてきたと息を止める、成績の話しになりそうなとき息を止める、、、本当にストレスだらけの毎日です。今日、会ったNさん、仕事のある日は甘いもの食べまくるけど、ヨガの日は甘いもの食べたくないと言います。きっと息を止めてお仕事されているのでしょう。
ストレス解消の方法は、甘いものを食べるのではなく、息を止めるのをやめた方が良さそうです。一度お仕事の最中に自分を見る時間、息の状態を観察する時間を作ってみたらいかがでしょう。きっと気がつくはずです。そしてそのような時間を過ごすだけでリラックスした状態になるはずです。
意識して行動する、これはヨガポーズでは必須事項です。ポーズが作れたらいいと息を止めて力づくで行うと必ず体を痛めたり、いつかは故障で、できなくなります。動きは息を止めてはいけないのです。吐く・吐く息で動くのです。息が止まったらやり直す、体をつなげて動かすことをするのです。気がつかないといつまでも緊張の中に入り、動きを改善できません。
ここで宿題を一つ。仰向きから右の脇を床に着けて横になります。足は両膝を90度に折ってお腹に近づけて左手を顔の前において、起き上がります(あぐらになります)。さて息を止めないで起きることができますか。答えは、体を連動して動かすのです。無理をしたり、ストレスを感じると息を止めてしまいます。
宿題を後一つ。間違った起き方をしてから仰向きになってくつろいだ時と、正しい起きかたをしてから仰向きでくつろいだ時と違いはどうでしょう。そうです、正しい動きをしているだけでリラックスするのです。
認識すること
先日、受講生がバリアフリーの話しをしてくれました。介護のし過ぎ、至れり尽くせりは本当にお年寄りにいいことなのだろうか。ますます弱らせしまうのではないかという話しです。昔は台所は土間にあり、地面にかまどがありました。食事するところや、居間などの上がったり下りたりはお年寄りは大変だったのですが、それをなんとかこなしていたそうです。現在でも台所に立っているとその動線の量はすごいものです。バリアフリーは体の負担を少なくしますが楽することで体も心もマイナス方向に変わっていくような気がします。
同じような話し。ヨガのとき体の使い方は丹田が大切というのは常套文句になっています。一番丹田を使う職業は何かというと土方じゃないかと話しをしたら、今は土方とは言わないで土木作業員と言いますとのこと。でもこの二者は全然違うのです。土木作業員は機械を操り、機械の補助、周辺作業をする人たちです。肉体労働には違いないけど、土方ではないのです。大きな違いは自分の体と作業対象の間合いでしょう。力の入れ方、対象の状態の変化、扱い方などが伝わるのが土方作業だと思います。
同じような話し。前に説明しましたホムンクルスの人形で口がやたらに大きいのは一番敏感で生きるに大切な部位だからです。生まれた赤ちゃんはおかあさんの乳房をしゃぶります。この作業は何をしているのでしょうか。おっぱいを認識し、口の感覚を通して生きることを学びます。感覚が神経の中に刻まれ、記憶され、満足や将来の行動を作るようになります。お年寄りの退化の逆を歩んでいきます。
この三つの例で人の行動で一番大切なのは認識することが大切だと知りました。お年寄りが動けなくなると、故障を認識して動きを緩慢にして代償作用で若い時と違う動きを学びます。土方作業は体を痛めない体の使い方を学んでいくのです。赤ん坊は口使い、手を使い物を認識し自分の存在を学び、こどもはイタヅラを通して道徳を学ぶのだと思います。
これも先日教室にて。この暑い日が続く中。珍しくクーラーを入れました。その瞬間は幸せいっぱいです。でもすぐ慣れてしまいます。久しぶりに呼吸法スイッタリーを行いました。舌を丸めてその間から息を吸う呼吸法です。この呼吸法は乾きや飢えを防ぐ呼吸と効能を上げています。しかしこのときは違いました。肺に水をすするような感覚で息を入れると体感温度が下がってくるのです。クーラーのせいではありません。体の中から冷えを感じるのです。それも一人や二人じゃないのです。かなりの人が涼しくなったと感想を聞きました。たくさんある呼吸法は無意識に行っている息を意識し、しっかりと脳に認識する作業だったのです。脳はからだ丸ごと小宇宙の神の教えに従って処理してくれるでしょう。
認識することの大切さは広がります。懺悔だってそうです。ごめん、すみませんが懺悔の意味です。しかし本当に懺悔が理解できる時は認識した時です。そのとき訂正、修正が伴います。そして反省が伴って行くのが懺悔なのです。何回もすみませんが出てくるのは懺悔ではないのです。
ヨガが体操ではない理由はその行為を認識しているかどうかだと思います。しっかりとした感じや識別することで認識が深まって、心身の機能を高める一連の行がヨガだと思います。
水天宮って
東京地下鉄の駅名です。はじめは単にそう思っていました。東京に出かけるとき、泊るホテルへいくときは茅場町を利用していました。地理感覚は全くなく、夜にホテルに入る時、200メートルの距離をタクシーを使ったこともあります。最近利用する地下鉄を変えてみました。水天宮という駅の利用です。何回か使っていて、水天宮という社(やしろ)が見え、好奇心で中に入っていくと子供連れの家族が多いのに驚きました。なんと子宝に恵まれますようとか安産を願う御宮さんだったのです。調べてみたらこのたぐいの御宮さんは全国にありました。子供連れが多いのはそのお礼なのかもしれません。こま犬の人形がたくさん飾っていました。このような風景を見ると何か昔ながら神を信じ、神を祈る姿勢に心うたれます。そういえば京都にある北野神社は受験生がわらをもつかむ気持ちでお参りするところでした。今週の学院のカリキュラムは「月の礼拝」です。単なる連続ポーズですが生きる日常から祈りを主とする生かされていることを実感するひとときです。
「肺の日」の記念公開講座のお知らせ
呼吸器学会北海道支部主催の「肺の日」記念公開講座のパンフレットです。7月31日午後1時から3時まで開催されます。
生きる上で脳も大事、心臓も大事、体、全部が大事ですが、呼吸は息をしていることで目立って気になります。その呼吸器科のお医者さんたちの一般向け講演会です。難しい内容もきっとわかりやすく説明してくれるでしょう。今日パンフをいただいて受け付けにおいておくと年配の方のクラスであったためか、あっという間に少なくなりました。そういえば今週のカリキュラムで発声体操をやっていたところ、そこらじゅうで、せき込んでいました。気管が、肺が弱くなっているのですね。
ということで私は講演の前座ならぬ、合間にヨガを担当することになりました。
タイトルは笑いヨガです。笑うという動作一つで呼吸の健康、心の健康、体の健康を同時に兼ね備えているのが笑いです。笑う機会がない人はぜひ参加してください。気分転換になるのですから。そしてひょっとして切実なメインテーマの肺がんや間質・・という病気の勉強よりも笑うということで今を生き、ありのままに生きるに何か役立つヒントがあると思います。
(ここに講義抄録を書こうと思いましたがブログだと書きにくいですね。次回案を練って掲載する予定です。)
寒い日
昨日は寒い日でした。朝、犬の散歩は6時に出かけ、近所を30分くらいかけて回ってきます。いつもはスキー用のダウンを着るだけで十分ですが、今日も朝の気温は−5度だからいつもと同じでそれほど寒いと思いません。当然、毛糸の帽子にがっちりとした手袋ですが靴は履き古した通勤用の冬靴です。寒くなりはじめの頃はこの気温よりも暖かくても寒くて仕方がないので、これにオーバーズボンをはいていたものです。
ところが昨日は違います。−10度。そして風があります。完全防寒服で散歩に出かけました。帽子、手袋はそのままですが、靴は防寒用ブーツ、オーバーズボンにそしてスキー用ダウンジャンパーの下に通勤用ダウンを着ました。あったかーい。それほどごわごわしません。ダウンとはたいしたものです。風が吹いても顔周りが冷たいだけです。首もとに口を埋めれば息も楽です。キュッ、キュッと気温が下がった雪を踏みしめて散歩完了。犬は当然素足の毛皮付きの裸です。
暖かい地域の人たちへ。北海道の冬は楽しいですよ。もうすぐ雪祭り。一番いい季節です。家の中はいつも20度だから快適だし。ついでに当教室にビジターで受講はいかがですか。しっかりと体が緩みますよ。(昨日久しぶりに来た人が体をゆるめてほしい、と言って受講されました。)