まっすぐが大好き

体が歪んでいるような気がするとか体のバランスが悪いという話を良く聞きます。
ヒトは脳化(養老猛司さん)といって自然を排して人工のものを作り出すのを好むそうです。都市には自然である牛や馬や蛾やミミズがいないのもそうです。その人工のものとは道路であったり建物であったり運河もそうです。またまたまっすぐのキュウリ、丸いトマト、スイカ リンゴなどなどは人の理想を商品にしてしまいました。自然界でたまたままっすぐのキュウリができるのは偶然に海岸がまっすぐなのと同じように偶然の代物のはずです。
Kaigan  Massugunomiti_3
このまっすぐ、を体にも当てはめて自分で体が曲がっていると一生懸命ストレッチや体操、整体治療、カイロプラクティック等に精を出しています。しかし真の治療家は見えないところの歪みを取って心身を癒す方法を取るのですが凡人の我々は体のバランスが悪い、栄養のバランスが悪いと大騒ぎをします。
体は元々歪んでいるものです。内蔵は左右対称ではないし、また、右利き、左利きとそれぞれが生まれつき持っている癖もあれば、知らぬうちに身についた癖もあります。姿勢の癖や話し方の癖、考え方の癖などそのヒト特有で独特、個性であります。沖先生はその癖を業と言いました。悪い意味での業ではありません。自業自得も悪い意味ではないのです。ヨガでは自業自得の教えといって自分が持っているものに対して当然のように獲得する、失うことをいいます。
それなら良い意味の業を得るためには不得意なことを獲得するために学ぶことが大切、日々の習慣を変えることが大切と教えています。嫌なことを喜んですること、弱いところを強化すること、まっすぐであるべきところをまっすぐにすることをいいます。沖先生はそういう修正法を教えていました。なにもまっすぐにすることばかりではないのです。体が曲がって正常な人もいます。玄米の食事がいいとは限りません。道場時代に白米、甘いもの、肉魚を食べさせている光景を見たことがあります。ヨガとは生活のバランスだと改めて知りました。