秋の散策

休日の朝、ぶらっと近くの山の中に入った。キノコ採りのグループに時おり会う。今はラクヨウだそうだ。みそ汁に入れるとうまい。しかしほとんど誰にも会わずどんどん奥の方へ入っていく。見通しが利かないのでどこを歩いているのかわからない。当然地図も持っていないし、水も持っていない。散歩スタイルである。キノコ採りのおじさんにあんまり奥に入らん方がいいよ、迷うよ、と言われてていたので不安いっぱい湧いてくる。熊が出やしないか、スズメバチの大群に襲われやしないか、ましてやオバケが出ないかと妄想にかりたてられる。
むかしむかし、おじいさんとおばあさんが住んでたという昔話の中にとなり村に峠を越えて用事で出かけたという状況はこんな様子であったのだろう。今は昼間で散歩だが、夜にこの道を歩くというのはかなり厳しい。昔は昼までも追いはぎも出たのだろう。追いはぎだけで命まで取らずに衣服を奪うところがロマンチックである。

と、妄想がいっぱいの中、明るいところに出た。峠みたいである。おおっ、ここは!。遠くに日本ハム本拠地のドームが見える。現在地がわかってからは勇んで山を降りた。山から下りて10分ほど歩いたら見覚えのある住宅地にたどり着いた。ひょっとしてと携帯電話で連絡をするとすぐ近くに親戚の家が。やれやれと大昔の一山越した親戚の家に来た気分であった。何はともあれすぐに水を所望した。