私の本籍は京都市北区上賀茂○○。今は親戚の誰も住んでいない。そこで生まれたというだけである。後年、近くに京都産業大学ができた。この上賀茂(かみがも)と上賀茂神社はそれほどポピュラーな名所名跡ではない(拝観料はタダ)。史跡仏閣から歴史的に遠い昔、地理的にも離れているからであろう。神社の歴史は神代の代までさかのぼるらしい。天皇家のもっと前だ。賀茂族という宗教的儀式を行う氏族が全国に散らばったていたという。
私の幼少ころ、昭和27年頃、この地はまだ整備されていなくて誰もが小川で、能楽の舞台で遊んだ。まるで近所の公園のような存在だった。
ちょっと京都を留守にしている間に世界遺産になってしまった。畏れ多い存在になった。ちなみに京都三大祭の一つ「葵祭り」は下賀茂神社と上賀茂神社を往復する平安貴族のお祭りである。このあたりに住む中学校の同級生の名前も「位田いんでん」「幡野」という律令を思い出す苗字であった。この界隈は家の前をきれいな水が流れる川に橋がそれぞれが架かっている独特の町並みである。