足指を強くする

 足を強くする話をします。普通は膝や腰を強化するために脚を強くするアドバイスが多いですが、ここでは足指を強くする方法です。この方法を教室で半年くらい行なっていますが、評判はいいです。いつも足指もんだり足裏の土踏まずを叩いたりしていますが、足指強化をすることで早く歩ける、脚で立つバランスがいい、歩いている最中に靴の中で指が動いて歩いている実感がつかめるなど話を聞きました。

 その方法はただ指を閉じて手の親指、人差し指で指の間を開くだけです。力一杯足指を閉めることが大切です。四指と五指(小指)の間は弱いですが、一指(親指)と二指は強いものです。他に指を内に曲げて反対の手のひらで上から押さえ、それを伸ばしたり、その逆の伸ばしておいて、手のひらで抵抗して力一杯曲げていくというやり方も効果的です。

 終わったあとは普通以上に足が暖かくなりますし、動きもよくなります。そして外反母趾の改善や予防にもいいようです。簡単な方法なので足のケアのついでに是非取り入れてもらえばと思います。これをやっていて思うのは、靴を履く前の日本人は鼻緒のついた履物でした。下駄、サンダル、わらじ、地下足袋。その前は裸足だったでしょう。

 一時山登りをしているときがありました。面白半分に沢登りも挑戦しました。そのときは地下足袋とわらじを履いて沢(川)を遡行します。沢の横の崖を上ったり、時には水の中を歩いたりするのですが、滑らない、足が軽いという覚えでした。しかし今はそんな昔の木こりの人みたいなを格好をしている人はいないそうで沢登り専門の靴があるそうです。

 私たちは生活の楽さを知ることで数万年を経て作り上げた人の体の機能は衰え、安全の最たる家の中で転ぶという災難を得てしまっています。足腰の弱さだけでなく、体の部分の弱さが体全体のバランスを崩してしまっています。他の動物に比べ、直立歩行する私たちは脳という精密なソフトだけでなく、足指、膝、股関節、下半身というハードウェアのバランスで成り立っているのです。忘れがちな足指の強さをもっと強化していいと思います。