一般に体が柔らかいという表現はこの「前屈のポーズ」をもって言うようですが筋肉マン系の男性にとって気持ちのいい前屈は永遠のテーマでありその過程は悲鳴を上げるだけのポーズのようです。
今回はこの筋肉マン系の人に対してどうしたら前屈系の可能性を見いだせるかをテーマにします。
前屈のポーズは骨盤の股関節が回転することであり、そのバリエイションとして長座前屈、開脚前屈、そして立ち前屈があります。この中で一番やりやすいのは開脚前屈、そして立ち前屈、難しいのは長座前屈です。私もまだ、長座前屈はかなり無理をしています。
前屈としては骨盤をとにかく動かしたいので、イスに座って足を開いて前屈をチャレンジすることにしました。どうしたら骨盤が動くかというと脊柱起立筋(骨を支える筋肉)を緊張させるとその周りの背中の筋肉(骨・関節を動かす筋肉)が緩みます。筋肉が緩むと骨・関節が動きます。姿勢が悪いと骨を動かす筋肉で体を支えるためにその筋肉が硬くなり、骨・関節が動かなくなるです。そして今回の一番重要な点は首回りの筋肉を緩めることを大原則として、取りかかりました。
まず背骨を骨盤から首までまっすぐにしてもらいます。うまくいかなければサポートする人が触れ、50gくらいの力でうなじ、後頭骨を誘導します。もう一度大切なことを確認しますと背骨(骨盤)の角度と首の位置(あごの位置)をまっすぐにすることです。(50gとはできるだけ小さな力を表現しています。強すぎると本人は首力を入れて抵抗し首を硬くしてしまい、固まってしまうのです。)
はじめは60度くらいでもいいから背骨をまっすぐにする、そしてあごの位置を微調整しながら首すじを伸ばします。このような作業を1分くらいします。いつもは膝裏が痛いのですがその感覚は全くないそうです。痛くないから時間をかけることもできます。
そして背骨(骨盤)の角度を下げていきます。痛さがあれば首に負担(あごが上がる)が来るので補助をしている私にはすぐに分かり「頭上げて、あご引いて」などと指示を出します。こんなアプローチで行うとどんどん角度は下がってきます。
あまり欲張らないで3分くらいやってやめます。(もしどこかに痛みがあれば、やり方が間違っているのでやめましょう。)終わってまっすぐ立ってもらうと本人は背すじが伸びた感じ、腰も背中も気持ちがいいという評です。
今まで姿勢の悪さで圧迫していた筋肉が緩んだことで痛みが消え、本来の姿勢を保つための筋肉(脊柱起立筋)がしっかり働いて背筋が伸びたことによるものでしょう。
この感覚を覚えてもらうと床に座っての開脚前屈ができる日は近いでしょう。