考え方の癖(思考の癖)

 前の「瞑想_新聞記事から」の項で考え方の癖、認知行動学などの語句が出ていて少し調べてみようと思いました。調べてみると大変面白いもので、どこかで学んだことがあると資料を探してみると、半年間の「神野屋総合研究所_コーチングの基礎コース」にありました。それは毎日の生活の中である出来事があった時に心が推論したり、解釈したり、評価した事柄が感情になり行動に表れるという内容的です。
感情の起源_二宮

 しかし、今回は切り口を変えて「認知の歪み」をテーマにまとめてみました。

 感情というのは「どのようなに考えたか」という思考が生み出すものだとすれば、怒り、悲しみ、苦しみ、といった感情は、その「どのように考えるか」とい思考を変えてしまうことで、変わってくることになります。
 この考え方の癖は専門用語で「認知の歪み」と言います。デビッド・バーンズが10種類の「認知の歪み」を見つけました。
 長い文章ですがお付き合いください。また深く学びたい時はコーチングなどの師を求めるといいでしょう。

 1. 全か無か思考 all-or-nothing thinking
物事を極端に白黒つけたがり、オール・オア・ナッシング、○×思考で考えることです。
たとえば、就職試験に落ちたときに「社会人としての価値がない」と考えたり、何かの失敗をしたときに「次に失敗したら、もう終わりだ」と考えたりするような、完璧主義的な発想です。

 2. 一般化のしすぎ overgeneralization
何か悪いことが起こったときに、それがまた起こるに違いない、それが起こる運命なのだ、というように一般化して捉えてしまうことです。
たとえば、子どもの頃にいじめを体験した人が、新しい環境に移ったとき「またいじめられるに違いない」「どこでもいじめられる運命にある」と、根拠なく思いこんでしまうような場合です。

 3. 心のフィルター mental filter
考えることがネガティブなことばかりで、「マイナス」のフィルターを通して物事を見ていることです。
たとえば、ニュースの事件を見るたびに「世の中、どんどん悪い方向に向かっている。もうこんな世の中、誰も信じられない」「もう日本の経済はダメだ」というように、悪い方向にばかり受け取ってしまう状態です。

 4. マイナス化思考 disqualifying the positive
良いことや何でもないことを、悪いことにすり替えてしまうことです。
たとえば、実力で資格に合格したのに、「これはまぐれだ」「試験官の採点ミスに違いない」と良い出来事を無視して、マイナスの信念を持って考えてしまうようなケースです。

 5. 結論の飛躍 jumping to conclusions
事実とは違うのに、悲観的な結論に飛躍してしまうことです。これには、次の2種類があるとバーンズは述べています。
A 心の読みすぎ mind reading
人の態度や言葉を、悪い方に深読みしてしまうことです。
たとえば「今日のファッション似合ってるわね」と褒められているのに、「口では褒めてるけど、内心馬鹿にしてるんだろう」「お世辞を言ってるな。何かの魂胆があるに違いない」と悪い風に捉えてしまうことです。
B 先読みの誤り the fortune teller error
これから起こることが不幸なことばかりだと信じ込んでしまうことです。
たとえば、せっかく新しい家を買ったのに、「この先、ローン地獄に苦しむに違いない」「この地域に大地震が起きて、この家もろとも壊れてしまうかもしれない」と悪い方にばかり予測してしまうようなことです。

 6.拡大解釈と過小評価 magnification and minimization
悪い面ばかり大きく捉え、良い面をあまり評価しないことです。
たとえば、テストで70点をとった場合、頑張って70点もとれたことを評価せず、30点のミスにばかり注目して、ダメ出しをするような場合がそうです。

 7.感情的決めつけ emotional reasoning
感じていることが、真実であるように考えてしまうことです。
たとえば、「みんなに無視されているように感じる。やっぱり私は嫌われているんだ」「いつも悪い風にばかり考えてしまうのは、性格が悪いからだ」というように、感じたことがそのまま真実とイコールであるように考える場合がそうです。

 8.すべき思考 should statements
「~しなければならない」「~べきである」と考えて、追い込んでしまうことです。
たとえば、「毎日ここまできっちり仕事をする」と決めたら、どんな状況でも体に鞭を打ってでもやろうとしたり、この「すべき思考」を他人に向けて、規則でがんじがらめに縛りつけたりする場合がそうです。
どうして自分に重い荷物を背負わせてるの?
どうして自分に重い荷物を背負わせてるの?

 9.レッテル貼り labeling and mislabeling
根拠もないのに、ネガティブなレッテルを貼ってしまうことです。
たとえば、1つの失敗をしただけなのに「あいつは無能人間だ」と決め付けたり、なかなか結婚相手が見つからない自分に対し、「私は『負け犬』だ」と悪いレッテルを貼ってしまうようなことを言います。

 10.個人化 personalization
良くない出来事が起こったときに、何でも自分のせいにしてしまうことです。
たとえば、チームの仕事が失敗しときに「私のせいだ」と自分だけの責任のように感じてしまったり、家事と仕事の両立に悩むワーキングマザーが「私の処理能力が低いからだ」と、忙しさを自分の非のように感じたりする場合がそうです。

 それでは考え方の癖を直すにはどうしたらいいか。自分の思考パターンがたくさんあって大変だと思います。でも簡単です。嫌な気分になった直前に自分が何を考えたか・・・ということを調べるだけです。感情はそのあとでやってくるのですから。例えばイライラした直前には「何かしら考えていた」ことになります。それは神野屋総合研究所のイラストの評価の部分になります。意識して自分の思いを評価し訂正することで感情をコントロールできます。こんな練習をしていけば少しはニュートラルな考え方になり気持ちが楽になるでしょう。

 そしてこのテーマを調べるきっかけになった「マンドフルネス」という瞑想をやってみたらいかがでしょう。またヨガの呼吸法もポーズも自分と向き合うことから感情のコントロールがうまくいくようになります。私がいつも言ったりまた思ったりしているのは自分自身がかけがえのない存在であること、そして努力を惜しまないことです。人生は失敗の連続かもしれませんがそれでも前に進んで行くことに意味があると思っています。
 このブログにもありますがエミールクーエの暗示法も好きな項目です。(2014.07.22に掲載しました。)
 「私は日々にあらゆる面でよくなっていく」これを繰り返し唱えるのです。

 ※以上の10項目は「ストレス/ストレスフリーの思考術「ストレス思考10パターン」をチェック」を参照しました。