はじめに
高齢者の方々は加齢に伴い、耳の聞こえの低下や喉の詰まりやすさなどの不調を感じることが多くなります。これらの問題を軽減し、発声を楽にするためには、適切なトレーニングやケアが重要です。本レポートでは、聴覚と発声機能の向上を目的とした具体的な方法について紹介します。
聴覚機能の改善方法
耳の聞こえを改善するためには、耳管を柔らかくし、通りを良くすることが大切です。そのために、以下の方法が推奨されます。
発声トレーニング
「アー」と「オー」の音を繰り返し発声することで、耳管を柔軟にし、耳の通りを良くします。沖ヨガを学んでいる方は「あおん」のマントラが大変効果的です。耳に響かすように行います。下あごを動かして、あごを軽く動かすと耳管に刺激が行きます。
耳管通気法
軽く息を止め、耳の方へ空気を送ることで耳管の通りを良くします。要領は口を開けているとあくびが出るのでそのタイミングで息を止めます。何回も行わないことです。朝晩2回くらいです。
耳の周囲のマッサージ
耳の周囲をやさしくマッサージすることで血流を促進し、聴覚機能の向上が期待されます。耳周りを手で押さえて回すこと10回。耳たぶを5箇所(上、下、斜め、真ん中)を外側に軽く引っ張ることを5回。耳を手のひらで折りたたんで音を消すこと、30秒くらい。
イヤホンなど大きな音は聴覚を劣化させます。静かな音を楽しみましょう。
発声機能の改善方法
喉の詰まりや声の出しにくさを改善するために、以下の方法が有効です。
ストロー発声法
ストローをくわえて発声することで、喉の詰まりを防ぎ、発声をスムーズにします。5分くらい。歌を歌ってもいいし、「あおん」の音もいいです。
パタカラ体操
「パ・タ・カ・ラ」と発声することで、喉と舌の筋力を鍛え、声の不調を改善します。「パ・タ・カ・ラ」を20回くらい早く発声します。特に「パ」を10回くらい早く発声し、次に「タ」・・・。
舌を動かす
舌を前下に出す動作、のどに刺激がいくように10回くらい行う。ヨガでいうライオンのポーズです。顔のマッサージになってシミ・シワの改善があるという人もいます。また舌を上、右、下、左、そして上・・・の動作を10セットくらい行います。
実践のポイント
これらのトレーニングを効果的に行うためには、毎日継続することが重要です。以下のポイントを参考にしてください。
・一日 15分程度 を目安に実施します。
・無理のない範囲で行い、継続することを優先します。
・声が出しにくいと感じる場合は、「あえいうえおあお、かけきくけこ・・」などの発声で軽いウォーミングアップを行います。「アイウエオ」でも良いです。
まとめ
高齢者の聴覚や発声の機能低下は日常生活に大きな影響を与えます。しかし、適切なトレーニングを継続することで、その影響を軽減することが可能です。本レポートで紹介した方法を日常生活に取り入れ、健康的な発声と聴覚機能の維持を目指しましょう。