丹田の勉強会がありました。これについて日本の伝統的な身体を考えるにあたって重要なテーマです。丹田は体の中心であり、心のあり方まで左右する存在です。日本では腹(肚)ができているというのは精神的に完成されている意味を持っています。肚を見せるというのも本心を見せるという意味に使われています。当然、解剖学的存在ではありません。姿勢の中で腹に意識を置くことで、気づく存在です。また丹田イコール腹筋でもありません。お腹にぐっと力を入れたら丹田に力を入れているということになりません。そっと意識がおかれているところなのです。
腰の文化 芯の文化は能楽や歌舞伎の世界、相撲や武道の世界にもみられます。
これらが古代からもてはやされるのは、日本人好みの心身統一といった精神世界も含んでいることからでしょうか。しかし私たちは近年になってスポーツそのものも根性論としてみるのは邪悪と判断されています。
以上のように肚の文化には心の文化も含まれていきます。そのために日本ではカウンセリングという手法がなかなか根付かないと聞いたことがあります。それはすなわち肚を修練することで心を鍛える世界があることを知っているかでしょう。
このように心の修練としてヨガのポーズがあることを知ってもらえば興味は広く深くなるでしょう。ここに瞑想的な心身統一の要素が存在を知るのです。
先日、スタジオにがっちりとした男性が来られどうもポーズがとれていません。足を曲げてあぐらをしていても肚の力が抜けて背が丸くなっている姿勢です。腰を立ててると、きちんと腰が入り背筋を伸ばすことができます。私はその姿勢のまま前に倒れますかと言うと無意識に背を丸くされるので、背筋を伸ばしてあごを引いて板が倒れるように倒すように言うときれいに倒れます。その倒れ方は私も驚きましたが彼も同様でした。そして終わった後は背中腰が気持ちがいいという評です。これは肚を意識した動きは体を自由に動かすことができ、無理無駄のない動きに変わる例です。同様に背すじを伸ばしただけで魔術のように前屈ができた、背すじを伸ばすだけで膝が軽くなったとわざわざコメントを伝えに来てくれるのです。それは腰を入れることで上体の力が抜け股関節が緩んで動きやすくなるからだと思います。首、腰 膝と私たちの体はつながっているから当然のことでしょう。腰に負担、膝に負担を強いることで故障が出てくることを忘れてはいけないと思います。