あるお寺で不許葷酒入山門という石碑を見つけました。ウェブ検索は便利です。「葷」クンと読みます。すなわち「にんにく、ねぎ、玉ねぎ、にら、らっきょう」は食べてはいけません、そしてお酒もいけません、 お寺に持ち込んではいけませんという石碑なのです。精進料理の基本なのでしょう。お魚も駄目だしかつおだしも禁止だそうです。
台湾のあるヨガ関係者はこれと同じなので合宿のときは一切不可です。台湾合宿に参加したときは小麦のタンパクから作ったグルテン料理の種類の多さに驚きました。またシバナンダアシュラムの指導者もねぎやたまねぎを食べませんでした。なぜと聞くと独身だからという返事です。日本のお坊さんもなぜ、葷不許なのかと調べましたら、欲望を捨て去るのが仏道の根本ということで、性欲を抑えるためだったらしいです。
そのおきてを公然と破ったのは親鸞さんでした。その師匠の法然さんも自分を含めたおろかな衆生を救うためには自分自身がもっとおろかな存在としてを認め、念仏を通じて救済を説いたのですが、それをやむにやまれず実行したのは親鸞さんでした。すなわち肉食妻帯でもって衆生に近づいたのです。お上は僧職の堕落と決めつけ流罪となりましたが、益々、勢力は広がりました。どちみち当時のお坊さんは隠れて妻帯、お酒を食らうことしていたのですから。明治時代になって神道と仏門を分けるためにお寺を壊しました。お坊さんを堕落させようと結婚を奨励したのです。それ以後近代、現代の日本のお坊さんは普通の人と同じような生活をするようになったとある本に書いてありました。修行僧は当然、別ですが。。