当ヨガ学院ヨガの理念



1.ヨガとは何?
 インドでは古くから瞑想にふける風習があって、その起源は5000年前にさかのぼります。当時 インダス文明時代があり、その遺跡からヨガの体操であろうと思われる彫刻や像が出土しました。その瞑想にふける風習は後に哲学、宗教的な意味合いが強くなり、インド発祥の世界的宗教バラモン教(ヒンドウー教)の誕生にヨガが関ってきました。ヨガは「結い・ユイ」で表わすように結ぶ、調和、制御などを意味することであります。ヨガは心とからだの調和のために、呼吸を整え、五感という感覚を磨いて心身統一に役立てる修業や方法であるのです。

2.ヨガの哲学
 ヨガは「このようにしたらこのようになる」という実践的な哲学であり様々な方法(体操、瞑想、呼吸法、断食など)がとられています。この方法・修業のことをヨガ行(ぎょう)と呼んでいます。瞑想してみるとすなわち、広く深く、落ち着いて考える行為をすると、大自然の中の一個の生命体として自分を見る時、いかに周りから多くの縁をいただいて生かされているかと、感謝します。又同時に自分の中にたくましく生きる力が存在することに気がつきながら実行しない、自分の努力不足を懺悔します。この生かされる力、生きる力の”結び”を最高に発揮させることをヨガ行といいます。生きるために、そして困難なできごと、病気などを克服するために、生命力、自然治癒力、内と外の調和する力を活性化する方法を述べているのも、またヨガ行法であります。

3.現代の矛盾
 現代社会は物が豊かになり便利であること、それは喜ばしいことなのですが、しかしこれだけでは幸せにならないということも気づいています。生きる価値の基準が物であり、財産であるかぎり、いつまでも経済の奴隷になってしまうでしょう。個人よりも組織という考えのもとで、家庭や生活の中でストレスが生じ、心の荒廃、不安、青少年の非行化など様々な問題が現れてきています。またストレスを因に発した生活習慣病(成人病)、そして高齢化社会を迎えて健康不安にも脅かされてきます。その問題の対応の仕方にしても物を与えたり形だけを整えたりしているし、また病気であれば症状だけを抑えたする傾向が強いようです。

4.ヨガの価値
 今、私たちは先人の英知を知り、大自然の中で人が生かされ、生かしあい、生きていく大局的な考えのもと、物質的なものよりも、志であったり、喜びであったり、新しい価値観を作ることに生きがいを見いだす、そういう「プロセス」が必要であることに気がついてきています。一人ひとりが幸せになること、価値観を見いだせること、生きがいを持つこと、そのことを考える時間が必要になってきています。幸せになるために「思いと活動」を結び、「こころとからだ」を結びつける手段としてヨガの行が必要かと思います。ヨガは一人ひとりが落ち着いて簡単な体操や呼吸法を行なうことです。そこには感じる世界があり、考える世界そして気づきを待っているひとときであります。急ぐ必要もなく、力も決断も操作も必要のない世界であります。からだとこころの調和を回復する知恵の時間なのです。