体と対話のためのグッズ
友人から太さ15センチくらいの竹の筒を前にもらったままであった。長さ1メートルくらいある。当時、使い方の説明書どおり少しだけ使ってみた。筋肉の硬いところをこれに身を任せてゴリゴリするのだ。腿裏やふくらはぎ、腿前部、背中、あらゆるところゴリゴリだ。痛くて数回やってやめた。

しかし時は経て、ストレッチングポールなるものが適度に柔らかく、ウレタン様の素材で出回ってきた。それを試用した。気持ちがいいが何か物足りなかった。ということで捨てようかと迷っていた竹の筒を再び登場させて再度使うことになった。

確かに、体重を全部、竹に任せてしまうので悲鳴を上げてしまうが慣れると適度な刺激で要領を得て筋肉をゆるめることができる。10分くらい希望の部位をゴリゴリならぬ、ゆさゆさとゆすって柔らかくする。そして希望部位のかかわるポーズをつくると楽にゆるんでくれる。

グッズの使用は、はるか昔、インドのアイアンガー先生に日本来日の折、教わったとき椅子やロープや棒や壁などを使って以来である。その使い方は補助としての使い方である。前屈のポーズで足にロープを引っ掛けてそのロープを引っ張る、スキのポーズでうなじのところに毛布を置いて首の負担を少なくする、釣り針のポーズで壁にもたれて脱力してポーズをつくる、アーチのポーズでは椅子の座るところに背中を置いて背中をゆるめるようにポーズをつくる、などなどであった。
今回の竹の筒はそれとは異なり、これで筋肉を柔らかくするのだ。台湾の洪献宗師の来札の折、ひそかに伝え聞いたのがその竹である。ゴシゴシとほぐす。軽く叩いていもいい。まな板の上で肉を叩いてやわらかくするように。筋肉が柔らかくなると、骨が動きやすくなる。動きは骨が主体であるとは、この場でも何回も言っている。筋肉がなければ骨の動きは最高の滑らかさに達する。動きを邪魔しない筋肉つくりをこの竹で行う。

ところが竹がなければだめかというと、そんなことはない。パイプ椅子など身近にあるもので身を任せてゴシゴシやっている人もいる。ポーズの練習は道具なしで黙々とするのが基本であるけど、少しだけこんな身近な道具を使うと遠い可能性がぐっと身近になってくる。

写真にあるのはその竹と今ブームになっているマイマットである。学院の教室内で行うときは不要だが自宅や床が滑りやすいところなどでは必需品。一度これを使うとしっかりグリップするので手放させない。無駄な力が不要で楽に力系のポーズが出来る。
それと音楽があればリラックスして行えるであろう。好きな音楽でいいのだが、私は癒し系の音楽よりもクラシックが好きだ。クラシック音楽は長い歴史をかけて癒し系として淘汰されてきたのだろう。そして最近はヨガのビデオやDVDがたくさんある。ヨガの雑誌を買っただけで手に入る。これを使ってヨガのポーズの練習をすると良い。何もこのとおりするのでなく、BGM的に流しているだけで気持ちよいひとときが過ごせる。

苦行林で黙々と修行するよりリラックスに浸りながらいつの間にか恍惚のサマディ状態になっているのが理想かな。。
(2005-05-13)


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