腹筋なんて不要だ。でも丹田力は必要。
筋肉隆々の人が仰向きから俗に言う腹筋で起きれない人がいます。腹筋がないからでしょうか。そんなことはない。丹田力がないのです。起き上がろうとすればするほど顔を真っ赤にして起き上がれない。
それでは仰向きになっている状態でイメージで顔の前に太いロープが天井からぶら下がっていると想像してくださいと言います。それを両手でしっかり持って起き上がって下さいと言うといとも簡単に起き上がってしまうのです。体全体の総合力で起き上がるための筋肉が使われるのでしょう。それでは起き上がれない理由はというと各筋肉がブレーキを掛け合っているのです。協調している時と相反目している時とでは動きが全然違います。
言葉で体が反応するのではあればトレーニングなんて必要ないのですが、一応、丹田力の定義は喉を閉め、腹を閉め、肛門を閉めるということになります。これは単純にいくわけでなく、けっこう応用範囲が広く、そりポーズの時など喉を伸ばしていてもやっぱり閉めている感覚なのです。丹田と言う言葉は昔から諸道諸芸のコツと言われ続けています。試行錯誤の上のコツなのでしょう。わかってしまえば何も力なんぞいらない。要するに神経回路なのですね。この回路を作るために試行錯誤する。悲鳴をあげてシゴイタッテ何も得られない。せいぜいばてて、もうどうでもなれと言った心境になったとき力が抜けて極意が得られるだけで何も立派なことではないのです。遠回りしているだけです。
悲鳴をあげるようなレッスンをしなくても、もっとやさしく自分のからだを扱ったらたくさんのことがからだから伝わってきます。次のような言葉をよく使っています。「今やっている事が楽しいですか、おもしろいですか、気持ちいいですかといつも自問してください」
(01-10-18)