投稿記事
(私のヨガ)

長澤 正昭 様
 夜の部に来る人々は、私を含めて勤め人が多数ではないかと思います。職場で、「仕事に私情をはさむな」と言われ、ある時は、「自分の考えを前面に押し出して」とか、会社の都合に翻弄されている人々のいかに多いことか・・・・。
そんな勤務先で仕事の緊張感を抱えたまま慌しく、ヨガのレッスン時間に遅れまいと、勤務先の同僚の目を気にしながら、仕事先を後にします。 私と同じような学院に来ている方々を、平日の夜の部や、土曜の午後の部など、職場のストレスを肩に背負ったままで、見受けると掛けることばに迷ってしまいます。
私は、どのような時にヨガに行きたいか、考えました。それは、緊張感を強く感じているときです、それは、ヨガにきている人々の共通項でしょう。いろいろな仕事をしている人が、言葉には表現しがたい、緊張感をなんとしてもやわらげたい一心でヨガのレッスン開始時間が押し迫った中で、慌てふためきながら、教室に入ってゆくわけです。
 とくに緊張感の強い日にヨガをしますと、緊張したままでヨガを行い緊張が残ったままでヨガが終わってしまうことがあります。いろいろなヨガのアサナを行うことにより、緊張が取れるのではないだろうかと考えるのですが、90分間の限られた時間では緊張を取り除くことは、むずかしいときがあります。緊張を継続してのアサナは、アサナの種類にもよりますが、緊張を増す場合もあります。

そこで、「体ほぐしの方法」これは私が最近、行っている方法です。紹介させていただきます。はじめの5分間は、立位の状態で、両手をやさしく、ブラブラとゆする、次に、肘の部分、次に、肩の部分、そして脊椎、最後は、両方の膝もリズムカルに、そして次の5分間は呼吸体操、また、次の5分間は体ほぐしのブラブラ体操、そしてまた、5分間は、呼吸体操、以上で合計20分です、最後の10分間は呼吸を整えることと、気持ちの整理のためのリラックス瞑想タイムです。
以上のことを先に行ってからヨガのアサナを行います。私は、からだをゆすることについて、以前より、会議や出張の列車の中で緊張感が強まった時に、自然と手をブラブラさせたり、腕や肩を無意識に動かす動作をしていました、自分の意のままにならない、いらだちから、ダダッコ子が、体をゆするように、まさに、自分のからだから離れていった魂を呼び戻すように、手をブラブラさせるのです。体をゆらすのです。まずは、自分の体に魂を呼び戻しヨガを行うのです。仕事に没頭し、何処かに置き忘れてきた魂をもう一度、自分の体に納めるのです。はじめの30分間で緊張感をすこしでもやわらげる事ができるなら、その後の、ヨガアサナの効果を引き出すのに、十分に期待できるものではないかと考えています。交感神経優位から、副交感神経優位へと導いてゆく時間が欲しいのです。
アクセルを踏み込んだままで、ペダルの上で硬直していた脚をそっと取り外す時間が欲しいのです。徐々にスピードメーターの針がゼロに落ちてゆく時間が欲しいのです。唸り声を上げていた、エキゾーストバルブが軽やかなアイドリング音をたてるまでの時間が欲しいのです。
ほっとした気持ちからヨガへ入ってゆく、考えただけでもワクワクしてきます。 シトラス系の精油の香りが漂ってくるようです。青く澄みわたった空が見えるようです。 自然と胸が開き、空気がストーンとおなかの中に落ちてくるような感覚をおぼえます。 室内の照明も始めはアンダーから徐々にブライトへと、原始的な動きで緊張感をとり、楽に呼吸ができることを認識し、ヨガへと移行してゆきます。
(01/05/24)