いつの間にかできてしまった自分の体の癖を呼吸を使った体操で体を修正しようという試みである。心がけさえすれば電車の中でもどこでもできる修正体操である。痛みがある場合もやり方によってはこの方法で消せるかもしれない。
体癖チェックはいろいろな部位で行なうがここでは左右の目の大きさでチェックしてみることにする。目はよく見るとどちらかの目が小さくてそして大きいはずだ。
各部をチェックすると腕や脚などの長さ太さも異なる。これは生活習慣の癖による違いである。年齢を重ねてくるとどちらかに故障を持つこともある。たとえば右肩と右腰と右膝が痛いなどである。
痛みがどうして片側に集中するのかと考える。日常的に左肩が痛いと感じることで意識(脳)は左側にいつも緊張感を与える。緊張を与えることで痛みが消えるからだ。当然、正常な部位までも緊張するため、そちら側は動きは悪くなり、血行も悪くなる。故障も起きやすい。
逆に良く動く方、敏感な方は筋肉がゆるんでいて力も強く、血行もよく自然治癒力もおう盛である。調子の悪い方をこの良く動く、敏感な部位に変えていくことをすれば修正されていくことになる。その方法を呼吸を使って行なう。
呼吸は呼吸筋を使った運動である。運動とは筋肉の収縮が伴い骨格が動くことである。吸う息は筋肉を収縮させる運動だ。この吸う息で動く筋肉や骨格を意識する。呼吸するとき感覚が鋭い人は右胸だけ、左腰だけ、その部位だけを動かすことができるので修正の練習は容易だ。
しかし普通はそんな器用なことができない。分かりやすくするために動かしたい部位を軽く引っ張っておくと息をしたときに筋肉が動く。意識したり、動かしたりというのは感覚神経、運動神経がすなわち脳が緊張しないで、十分働いているということである。
そこで仰向きになって調子の悪い方、目の小さい方の腕を頭の方へ上げて胸周りを伸ばす。そして小さく速く吸って呼吸筋が動くのを確認する。ろっ骨が動き、肩が動くのを意識する。心地よく呼吸がつらくないような範囲で動かし続ける。ゆっくり深い呼吸をしたとき、左右の胸に大きな差があるはずだ。腕を上げた方が生き生きしている感じがある。
次によく動かしたい方を上に向けて横になる。下の胸は圧迫されているのであまり動かないが上は解放系なので良く動く。これも数分間ゆっくり行なう。
次に動きがはっきりした方を十分意識して今度は胸の半分をイメージしてみる。仰向きになって膝を立てる。腰がゆるむので呼吸も楽である。絵のような肺の半分をイメージしてビーチボールのように膨らむ・しぼむを想像しながら呼吸をする。背中のろっ骨は中身が膨らむに応じて動くだろうし、また胸の前のあばらも広がり動く。肩も前方に動くのが想像されるし、また実感する。そんな呼吸をイメージしながら実感と一致させる。
終わったら自分の目をチェックしてみよう。変わったかどうか。 自分の不調はどうであろうか。これも感覚や動きが鋭敏になって気分がよくなっているはずであるが。。。
以上のように呼吸の運動は手足を使った筋肉運動ではない。間接的な動きであるために受け身の動きといえる。意志を使った直接的な運動は緊張を伴いやすい。この呼吸法を使ってポーズを作ると楽に緊張しているところがゆるむ。具体的な方法は次回。。
(2003-10-18)