トレーニングというと筋肉に負荷をかけて行うことをいうが、ヨガの練習はすべて軽くて楽な動きを目指す。例えば手首がぶらぶらとか肩をゆするとかだ。この動きは筋肉をゆるめる作業だ。
自分の意志で動かす時は筋肉は緊張して動くわけで、この筋肉には神経が張り巡らされているので痛みや、意志がそこにあると緊張してしまう。ところが他動的に動かすとき、このぶらぶらもそうだし、ゆすりや振り子のように重さを使って動かすときは緊張はない。ゴムのように伸びている。
こんなことを意識しながら肩の力を抜く練習をしてみよう。
仰向きになって膝を立てる。これは腰、腹の力を抜くためだ。そして両腕を頭の方に伸ばす。そして右腕を手を遠くへ放り投げる。ちょうど釣りざおで糸を遠くへ投げるようにだ。これはバタンバタンと音はするが軽くて楽な動きだ。何回か繰り返す。お腹や腰が引っ張られて伸びるように。そしてそのまま伸びているの感じながら静かに床に置いておく。静寂が訪れる。筋肉が伸び切っているひとときだ。
硬くて、痛くて上に伸ばせないときは横に伸ばして行なうとよい。
反対側の腕と比べよう。ずいぶん違いがあるはずだ。このように感じ方を比べることは大事なことで、大脳にしっかりと覚えさせることだ。
そして反対側も行なう。
たったこれだけで肩の緊張はかなり解消されているはずだ。変化がない場合はまだ力が入っているのだろう。一回に量を多くすることでなく、数日続けてみよう。徐々に柔らかく弛緩してくだろう。
軽くて楽な動きは筋肉にある神経を脳から切り離して受け身になる練習がこれだ。この動きの時、楽で軽いイメ−ジが大切だ。力を入れて行なう体操ではない。軽くて楽な動きがいい動きなのだ。
それでは足の脱力はどのようにやったらいいのだろう。同じように投げ出す感じでやってみよう。腰の不調にもいいようだ。要領は膝から上げることだろうか。4〜5回もやれば十分だろう。
ただし、バタンバタンという音が出るので周りへの配慮も考えてやってみよう。
(2002-09-04)