荒城の月を歌う
いま話題の「声を出して読んでみたい日本語」を教材に使っています。
目で見る情報が氾濫している中で声を出して読むことは、呼吸を使い、腹筋を使い、そしてそれを耳で聞き、そして余韻を楽しむという3重4重の付録がついてきます。
いやそれだけでなく、覚えようとしなくても勝手に覚えてしまうと言ううれしいおまけまでついてきます。
今日は「荒城の月」を大きな声を出して歌いました。
年配の方もおられたせいか、感極まっていたような気がします。いつのまにか背筋が伸び、中には涙さえウルウルの方もおられました。
でっ。ここはヨガ教室ですので刺激を心身に与えるとどうなるか。
歌う前は普通のヨガの流れで前屈のポーズを行いました。
そして、歌う前にコーラスや演劇、カラオケ教室ではたぶん発声練習などされるのでしょうね。
ヨガでは一味違って、「笑いの行法」をします。
笑いまくって声をならしてから、興奮さめないうちに歌詞集を持って4番まで歌いました。
皆さんが歌っているととても頼もしく、誇らしげに聞こえ又見えるのは不思議な現象です。
歌い終わって、又前屈のポーズをしました。そこであちこちから歓声が沸いてきます。
「信じられない、柔らかくなった、手が楽に足につく、力が湧いてくるようだ」などなどです。
ある程度は期待していたのですが、これほどとは。。
きっと皆さんは気分が良かったのでしょうね。
脳内ホルモンがどぱっとほとばしり、ランニングハイならぬ、シンギングハイになっていたのではないでしょうか。
娯楽のない昔の人はこうやって朗読し吟唱して全身で味わっていたのですね。
なんか現代は楽しみがいっぱいあってもうわっつらですぐに消えてしまうあじけのない楽しみ方をしているようです。
全身を使った朗読の授業をもう少し続けていこうと思っています。
(2002-02-20)