高野山で学んだこと

今の社会は不安が多いし、自ら命を縮める人もたくさんいます。経済的に行き詰まった人、若い人も、上司にしかられた人も簡単に生をあきらめるのです。無量光院の土生川師は還源(げんげん)と四恩報謝という弘法大師の講義をされました。還源(げんげん)とは自己確立すること、他と同様に自分の価値を高めること、自分の心の中に存在の不安が巣くっているのでは争いがやまないし、心の安らぎもないと説明されます。
そして四恩報謝は父母(ぶも)の恩、衆生の恩、国王の恩、三宝の恩(仏法僧-永遠に変わらぬ真理)のことをいいます。恩を感じることで今の自分に誇りを持ち、未来を豊かに生きることができるのです。国王の恩とは聞き慣れませんが、国家の恩と言ってもいいでしょう。国家は単なる税金を払う対象でしょうか。そうではありません。治安が安定しているのも国家の恩です。イラクやアフガニスタンを見てもわかるでしょう。
そういうことで今日の新聞に天皇陛下即位記念の記事を見つけました。記事の中に「国旗を家に掲げましょう」と小さく書いてありました。私の小さい頃は祝日にはいつも父が掲げていました。その習慣が無くなり、恩を忘れている私たちに不況という不安で天罰が下っているのでしょうか。自分のところだけ掲げる勇気はありませんが心の中で四恩報謝を念じています。
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