夢を持つ

年始の欠礼ハガキが来たました。お世話になった会計事務所の先生が6月に亡くなっていたのです。驚きました。息子さんに事務所を形だけ預けて、10名位の所員を前に朝礼をし、あれこれと現役と同じく活躍していると思っていました。私には20数年間、経営ののイロハを教えてくれました。夜事務所に呼んでお酒やお寿司を振舞ってくれました。先生ははっきり言ってケチです。経営はけちでなければいけないと口酸っぱく言われました。家を買う時もなんでそんなむだなものにお金を使うのだと忠告されました。商売しているのなら投資しろとも。先生がお役人から税務事務所を開いた時は本当に苦しかったそうです。金は使うな。はじめの頃こんな話ばかりでした。
いつもは立派な会計事務所の事務室や応接室で打ち合わせをするのですが、今日、お参りに始めて先生の自宅に入りました。有言実行!本当に小さな部屋でした。
無駄なものは一切買わないという先生が晩年、大きな買い物をされました。札幌市内の一等地にある山を買ったのです。テレビ塔から西の方にいただきが見える山だというのです。周りは無駄なものとして大反対したそうです。しかし私にも俺の山で合宿できないか、瞑想にいいぞ、使ってくれとしきり言われていました。
功を成しても贅沢は一切されなかったけれど、夢だけは持ち続けておられたのだと、晩年になってのこの夢が生きる力なのだと思いました。